(29)暗闇の中で
「お兄ちゃん、どうしてるかな、、、」
鍵のかかった部屋の中、少女は呟いた。
ここに自分の兄が出入りしていたのは知っている。
どうやら、自分が捕まったことで、兄が言いなりにされているようだった。
何度か兄がこの扉を開けようとしてくれたが、ここの部屋にはかなり大昔の特殊な鍵が使われているらしく、鍵開けの得意な兄ですら開けることができなかった。
「どうすれば、、、」
最近ドア越しに聞いたのは、どうやらここの屋敷のお嬢さんが原因不明の病気で寝込んでいるということ。
ここの鍵は、ダナス議員の家系のものであり、その一族である者しか開け方を知らないということ。
–もう兄が自分のために利用されるのは嫌。お嬢さんが、善良な人であればここを出るのを手伝ってくれるかもしれない。
少女は兄の無事と自分の解放を祈った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます