(24)真相

深夜


「どこにいく気?」

クロノはトリガーを構えて近づいた。


「くっ、、、なぜ。」

ある人物は驚いたように声を上げた。


–数時刻前


「あなたと取引をします。」

クロノは目前の人物に言った。


「ほう、私と取引ですか!考えましょう、

お金次第でねえ。」

そう前に立っているのは昼間の何でも屋だ。

ここは何でも屋の所有する建物の中だ。

署での勤めが終った後、クロノは何でも屋の根城を訪れていた。


「ここに、代金がある。それを確認してから話に応じてくれても構わない。」

クロノは男の前に包みを置いた。


「なんと!こんなに。いいでしょう取引に応じましょう!」

何でも屋は満足そうに弾みながら答えた。


「まず、どうやって取引をしていたのか教えてもらいたい。」

クロノは手始めに聞いた。


「そうですねえ。この建物内に紙が届いたのですよ。初めは廊下に落ちていてましたから驚きましたねえ。」


「落ちていた?」

クロノは聞き返した。


「ええ、落ちていました。精霊を捕まえて欲しいという依頼と共に前金としては少ないお金が置いてありました。」


「少ない?」


「そうです。最初は断ろうと思いましたが、それは何度も同じことが起こり、そして今回で最後だとかいてありました。

その頃には十分な前金になっていました。

これはお金になると思い依頼を引き受けたのです。」


「なるほど。では、どこで悪魔のごろつきたちを雇い、どこで精霊を受け渡していたのですか?」


「それはもちろんスラムです!スラムなら何人でもお金の欲しいモノたちがいるでしょう!

受け渡しは紙に指定してある場所に届けるだけです。

取引相手の余計な詮索は無用ですからね。」

何でも屋はそう言った。


「では、ごろつきを雇っていたのは全てあなただと?」


「そうなりますねえ。」


「では、尋ねたい。」


「ふむ?」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る