(23)何でも屋

「いや~、参りましたねえ。こんな所に呼び出しをくうとは・・・」

目の細長い、細身の若い天使の男がそこには立っていた。

なんだか所作がとても胡散臭い香りが漂う、男だ。


「はあ、またなのか。」

マイル上官はため息をついた。


マイル上官、ブランは、捕まえた下っ端たちを問い詰め、なんとか依頼を受けた男を割り出した。

しかし、その男は見たことのある人物であった。


「金になることならなんでもおまかせあれ!この何でも屋にねえ!」


マイル上官、ブランが追い詰めたのは、どうやら中間にあるリクルーターの存在であった。つまり、大本と下っ端の仲介役をしていたのがこの何でも屋である。

金になることのためなら悪事にも荷担する性分で、実際に手を下していないので取り締まるのも難しい。

この男は、何回か他の事件でも仲介役として動いており、マイル上官を初め、クロノ、ブランは少なくともこの顔を一回以上は見たことがあった。


「ですから、匿名での依頼で、相手については何も知らないって言ってるでしょお~。金を出すなら知ってる情報を教えないこともありませんよお。」


にんまりしながら、男は答えた。


「はあ、また何のためにもならない情報だろう。たいした情報ではないのを餌に金だけ払わせる心づもりだろう。」

マイル上官は更にため息をつきながら答えた。


「あっちゃ~、ばれましたかい。」

何でも屋は、まるで一芝居打たれたかのような反応を見せた。


「これでは捜査がいつまで経っても始まらない・・・スねえ。」

ブランもがっくりしながら、話した。


クロノはその様子を静かに眺めていた。



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