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「ふむ、つまりその少年ほんとに何も知らないんじゃないか?」

マイル上官は口に手を当てながら、アンドリューに話した。


「???どういうことですか?」

アンドリューはすっかり顔を?にさせている。


「つまりだ、その子はその辺で雇われた子で、その仲間達も寄せ集めの者ではないかと想像が付く。精霊を捕まえて渡す代わりに報酬を渡される約束だったんじゃないか。だから、そいつらに指示した者、そしてもっと上に主犯格がいるはずだ。」

マイル上官は冷静に話した。


「な・・・まるで特殊詐欺の受け子みたいな・・・」

アンドリューは驚いた口調で言った。


「まさにそうだろう、この子はただの受け子、上のことなどつゆ知らないと言うことだ。そうだろう?」

マイル上官は、悪魔の少年に尋ねた。


「ああ・・・そうだよ。」

少年は観念したようにそう話した。

「スラムで生活していたら、ある男が精霊を捕まえたら良い値段の報酬を出す、て言ったんだ。だから、それで・・・」


「なに!それはどんな男だったんだ!」

アンドリューはすかさず口を出した。


「知らないっっ、マントかぶってたから顔も見えなかったんだ!」

少年はアンドリューに揺さぶられながらそう答えた。




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