(18)収穫

三人が署に入ると現れたのはムキムキで、金髪をつんつん逆立てた逞しい男だった。

手には男の子の首根っこを握っている。


「アンドリュー・・・」

上官は驚いた顔で呟いた。


そう、正面に立っているのは、アンドリュー巡査長、この警察署内でも相当の筋力の持ち主で体はばきばきにできあがっている。

アンドリュー巡査長は、マイル上官の一つ下の階級で補佐役だ。

裏で脳筋なんて呼ばれている・・・らしい。



「現場に行って捕まえられたのはコイツだけでした。マイル巡査部長。」

アンドリューは無表情にそう言い放った。


「いってーな、離せよっっっ!!!!」

首根っこ捕まれた少年は懸命にアンドリューの手から離れようともがいた。

目つきの鋭い、細い悪魔の少年であった。


「しかも、こいつ逃げようとするんで、俺が捕まえてるってワケです。おとなしくしろっっ!」

アンドリューは少年をにらんでそう言った。

少年の腰にはナイフが何本か刺してあり、顔が隠れるように布を首元に巻いてある。

なんだか盗賊を想像させた。












  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る