(12)
マイル上官、ブラン、クロノは、パトカーに乗り込み署を出発した。
「原始の森に向かうンすか?」
ブランは車を運転しているマイル上官に尋ねた。
車内での役割は、ブランが地図の確認、補佐、クロノは指示があったときいつでも動けるよう待機、マイル上官は、全指揮を持ち、目的の場所にむかうべく運転席に乗っていた。
「いや、じつはもう数名の者が原始の森に送られている。怪しい者がいないかさぐるために捜索中だ。」
マイル上官は前を見据えながらそう答えた。
精霊は原始の森という、この世界が出来た頃から変わらないと言われる森にのみ存在している。
おそらく、そこに密売に関与している者が現れるはずだ。
「むやみな精霊の乱獲はとめなければいけない。私たちは、都市で怪しい動きがないか聞き込み作業だ。」
上官はそう話した。
「ええ!この広い都市を自力で聞き込み作業っすカ!俺たちとんでもない外れくじを引き受けさせられたんじゃ・・・」
ブランは驚いたように叫び、そう言った。
「なにはともあれ、俺たちは出来ることをするだけだ。」
マイル上官の言葉の元、クロノ達は都市を移動した。
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