第59話 玲子さん

 私の楽しみは、二つある。一つ目は、ウェブ上に小説を公表して、読者と交流をはかること、二つ目はドラムを練習することである。飯を食うのは、当然だから、ここでは省く。かなくても良いか。


 私は、インド・レストランで食べるほうれん草・カレーとガーリック・ナンが大好きである。多分、一年を通じて食べられる。と言うのも、私はインドに二年滞在していた人を知っており、彼は、二年間毎日カレーを食べていたと言っていたから。


 それは、そうと小説の公表。私の場合、ほとんど、ノン・フィクションから膨らましているので、純然だる小説ではないと思う。しかし、ノン・フィクションから膨らましていても、文学的価値においては、何も、変わらない。


 そこで、また、書いてみようと思う。今回は、躁鬱ネタである。お前、また、躁鬱ネタで引っ張るつもり?と思われる方は、読まんでよろしい。私は、書きたいことだけしか書かないかんね。


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 私が、転職した某メーカーの部署に玲子さんというOLがいた。彼女は、ほがらかで可憐でもあった。部署の男性全員が、魅かれていたと言っても良い。もちろん、私も、そのうちの一人であった。


 私は、タイミングを見計らって、彼女がトイレに行って帰ってくる際に、手紙を渡した。私的に利用しているメールに連絡してほしいと書いていた。私が残業している夜9時ごろになって、彼女から連絡があった。


 「一体、何なんですか?」とメールには書かれていた。私は、ドライブに行かないかと彼女を誘った。答えはYESだった。しかし、この当時、私は残業が立て込んでおり、鈍い頭痛が恒常化していた。


 彼女と奈良にドライブに行ったが、別れ際に彼女に、「今日は、楽しかったよ。ありがとう」と言うと、「あまり楽しそうじゃありませんでしたよ」と彼女には、言われた。確かにそうだったのかもしれない。


 恒常化している鈍い頭痛について調べると恐ろしいことが書かれている。これは、仕事を止めるしかないと考えた私は、安く住めるインドに行くことを考えた。まだ、インドの不法滞在がゆるい時の話である。


 貯金は、ある程度あったし、退職金も出る。おそらく、切り詰めたら、3~4年は、住めるのではないだろうかと、計算した。しかし、会社を止めるにあたって、躁鬱病の躁を発症してしまった。


 躁鬱病は、躁のハイテンションと鬱の落ち込みを繰り返す病気である。私は、躁の時にバーに入り浸り、焼肉を食べまくり、風俗行きまくりで乱費した。インドでの滞在費の一年間分は使った。


 インドに住むと玲子さんにメールを打つと、「病気の方は大丈夫なんですか?どうしてインドに行くんですか?」と返ってきた。会社の方は、鈍い頭痛、躁鬱、インドの方は、滞在費の安さを伝えた。


 インドには、結局三年いた。躁にはならず、鬱気味でずっと過ごした。インド滞在の総括は、おもしろくなかった、であった。玲子さんとのメールのやりとりは、途中で切れてしまった。私は、彼女のことが気になって仕方なかった。


 おそらく、結婚したのだろうと私は思っていた。昔の会社の同僚に電話して聞くと、これは個人情報だから、絶対に他言するなよと言われた。彼女も、躁鬱病で会社を止めたんだよと。

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