第42話 ドーパミン
私の気の弱さときたらメガトン級で、向こうから来た茶髪でピアスをした若い三人組などを発見するや否や、思わず下を向いているくらいなのだ。絡まれたら嫌だもんね。しかし、身体に危害を加えられたら、私は切れてしまうかもしれない。しかし、精神障害者手帳を持っている私は、医療観察保護制度が適応されてしまう可能性があるのだ。
この制度が適応された人を知っているのだが、三年半にわたって、いいですか、施設から一歩も外に出させてもらえなかったんですよ‼。知人に「三年半ですか。それは長い」と言うと、「そうなんや、あれヤバいんや」との事であった。刑務所は仕事をせにゃならんが、運動場に出られるやろ。しかし、医療観察保護の場合、仕事はないが、外の空気が吸えない。これはきついで。
そういえば、最初に精神科で知り合った人に、新しいオッサンが入ってきて、病気なんですか?と聞いたら、「覚せい剤ですわ」と答え、そのあと、「ああー、ここって刑務所と一緒やな」と言っていた。ただ、私たちが入院していた病院は、状態が良くなれば外出できた。覚せい剤と言えば、もう一人入っていたが、そのうちの一人は、給料のお札が覚せい剤に見えていたとの事。覚せい剤というのは、よほどのモンなんだろうなと思う。
私の躁うつの場合、実は躁状態が、快楽に関係するドーパミンという物質を脳内で過剰に放出しているのではないかと言われている。「ないか」というのは、患者の頭蓋骨を開けて、脳内を調べることができないからだ。話は、戻るがこのドーパミンの働きを強めるのが覚せい剤なのだが、躁うつ病患者の場合、躁状態において、すでに覚せい剤を打ったような状態になったと仮定されている。確かに私も躁状態において、衝動買いをしたりする。前回は、一万5千円の腕時計を買った。これくらいなら、まあ、許容範囲か。
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