第29話 鬱
僕は、鬱に突然襲われることがある。朝、仕事に行くために玄関をでるとき、なんで仕事行かなアカンねんと、ふと思う。そして、そりゃ食うためだろうと。しかし、なぜ食わなきゃならんのだと考えると、もうダメだ。食わんでいい。死んでも良いとなる。そうすると、「お迎えに来てほしい」と願うようになる。この気分は、実に嫌なもので耐えがたい。しかし、この鬱は、ある日を境に消えてなくなる。不思議。
私と鬱の付き合いは、とても長い。最初に経験したのは、もう小学生の頃で私立受験に失敗した時だ。小学生は、遊びたい盛り。それを取り上げられて、なおかつ春という命の息吹が芽生え始めるころに、家に閉じこめられ、しぶしぶ参考書を開いて時は、完全に鬱だった。後に私は、大学を卒業して旅行ガイドになるのだが、これはこの頃、家に閉じ込められていた反動だと思う。私は、オフィスに閉じこもるよりも外を出歩きたいタイプなのだ。ただ、給料は安かったが…。
中学の三年間は、完全に鬱だった。この頃は、まだ、両親の洗脳で進学校に進むことが当然だと私は考えていたので、勉強しかしていなかった。体が小さく、細かったのでいじめの対象にもなっていた。悲惨だった。もう、思い出したくない。しかも、勉強はしていたが、頭にさっぱり入らなかった。
私は、腰に不具合があるので椅子に座るのが辛い。これのストレスも鬱を誘発した大きな要因である。また、私は高校にあがり、少林寺拳法を始めるが、いくらトレーニングしても腕の骨が太くならなかった。男性用の腕時計が大きすぎてフィットしない。例えば、G-Shockとか。肩幅は広くなったが、女性には必ずと言っていいほど、体が細いと言ってバカにされて、嫌悪感を持つ事になる。これは、ハラスメントだと思う。職場で太った女性に、男性がデブと言ったらどうなるか。これは、大問題になるだろう。
この体の細さも、私の鬱に関連している。何しろ、いくらトレーニングしても太くならないのだから。嫌気がさすのである。そんな事で、トレーニングをある時期、行っていなかったら、さらに筋肉がそげた。あまりにも細くなりすぎたので、また、トレーニングを再開したいという思いはある。しかし、安定剤の副作用か、体がまったくと言っていいほどついて行かない。
一念発起して通ったジムでは、ただ、他人が運動をしているのを眺めているだけだった。合気道の道場にも一度通ったが、これは今までの人生で一番辛い一時間半の経験となった。本当に死ぬと思った。また、大枚はたいて、練習用の電子ドラムを購入したが、まったく叩けていない。これも体を使うからだ。じゃあ、頭は?と、言われるとこれも集中力、記憶力ともに低下しており、よほど、自分に興味のあることしか頭に入ってこない。
こういう風に私は何をやっても駄目と言う人生を送っている。目下の鬱の要因は、新型コロナのワクチンだ。二、三年後に
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