第26話 いい加減にしとけよ
先日、母親が参加している山歩きの会に初めて行ってきたのだが、途中の休憩場所に本田という元刑事が追いついてきた。それで、皆が「ああー、早かったわねえ」と言った。すると、コイツは私を見て、「お父さんにそっくりな体型やね。お父さん連れてきたんかと思ったわ」と二度言って皆を笑わせた。父親と私は背が高く、細い。これを世間一般では、ハラスメントと呼ばれていることを知らんのか。
そこまでは、良いのかもしれない。私は、背が高くスタイルが良いと言われることもある。しかし、私は84歳のクソジジイに、この40年間、毎日早く死んでくれ、早く死んでくれと念じている。子供の頃、散々虐待を受けているから。私が、高校で新聞配達をしながら空手を始めて、それはなくなったが、そういう汚さも嫌悪の対象だ。
先日、このクソジジイが、私の仕事の方向性について語り、「俺もあともって、4、5年やわ。だから、せっかく持っている日本語教師の資格を生かして
外に出ればいいじゃないかという思う人もいるだろうが、低所得だし、狭いワンルームマンションに飼っている猫を閉じ込めるのも嫌だし、老いた母親には家にいて、これからは介護をしてほしいと言われているので残っている。
話は、横道にそれたが、だから、私はクソジジイにそっくりだと言われることが、嫌で嫌でたまらない。筋トレすれば、良いじゃないかという話もあるが、精神薬で体がどうにもこうにも動かない。ジムに行っても、ベンチに腰掛けて眺めているだけだ。
また、山の会に話を戻すが、昼飯に弁当を食べているとこの元デカが、私の方をにらんでいることに気が付いた。そして、にらみ合いになった。私は、精神的には、アウトローである。一般市民とは異なる被差別の側にいる。そのことを元デカは素早く見抜いたのだろう。
飯を食ってまた歩き出したのだが、私はこの元デカに、話しかけた。基礎疾患が、あるから筋トレできない、それで、筋肉がそげてしまうと言うと、こいつは、「でも、似てる」と言いよった。これは、ダメだ。人間としての配慮が足りない。元デカかなんか知らんが、何言っとんじゃ。今度、「似ている」って人前で言ってバカにしたら、「元権力の犬が何言っとんじゃ!」って絶対言ったる。以上。
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