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サイモンの話によると、
「子猫の頃からお世話になっている大将に、そんな罰当たりなことはしないよ! 第一、なんでいまになって盗むのさ!」
サイモンの必死の弁明に、おれは耳をかたむける素振りだけは一応してみせた。明日からどこで寝泊まりすればよいのかと、話を続けるサイモンは泣きじゃくるばかりだ。
たしかに、サイモンは恩を仇で返すような猫ではない。面倒は御免だが、他ではない旧友からの頼み事を断る気にもなれなかった。
「ああ、わかったよサイモン、落ち着けって。とにかく、おれがなんとかするから、ほとぼりが冷めるまでのあいだ、
おれのそんな言葉を聞いたサイモンは、〝待ってました!〟と言わんばかりに両目を
そして、
「ありがとう、肉三郎! もつべきものは親友だね!」
「あーもう! わかったから、いいかげんにやめてくれ!」
こうしておれは、致し方なく犯人探しへと繰り出すことになった。
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