第35話 共同壊滅作戦3
タクマと口鬼は、甲州街道を進み、新宿駅を超え新宿中央公園に到着し、公園内を調べた。
「おいレイナ、餓鬼どころか誰もいねぇぞ。その探知機壊れてんじゃねぇのか?」
レイナは探知機を確認すると、確かに反応は消えていた。
「なぁタクマ、でも何か臭わねぇか? 臭いに囲まれてる感じがするんよ」
鬼は鬼特有の臭気を感じることができるのであった。口鬼が臭いを辿っていくと地面に1枚の紙を見つけ拾い上げた。
「よータクマー。この紙になんか文字かいてあんだけど、お前らがよく使うやつじゃない?」
タクマが振り返った瞬間、口鬼は轟音とともに吹き飛ばされた。
タクマは慌てて傍によった。
「大丈夫か口鬼? おっお前、その腕・・・」
口鬼の右腕は肩から引き千切れていた。まるで、拾った紙が爆発したかのようであった。
「・・・大丈夫ってな訳ないだろう・・ 後ろ見ろよ・・・ ありえねぇぜ・・・」
タクマの後ろには、体調3メートルほどはある餓鬼が口鬼の腕を喰っていた。餓鬼は人間や動物をは食すが、鬼を食すことはなかった。
餓鬼は腕を喰い終わると、タクマと口鬼のところへゆっくりと近ずいてきた。タクマは口鬼を抱えながら、後方へ下がっていった。
「タクマ、奴は紙の中から出てきやがった。たぶん式紙だ。周りを見ろよ、木々やあちこちに式紙が貼ってある。出てくるぞ、餓鬼の軍団が」
すぐにその予想はあたってしまった。張られている式神から、餓鬼が現れ周囲を囲まれてしまった。
「レイナ、探知機の方はどうだ?今餓鬼に囲まれたぞ。口鬼は負傷し戦うのは無理だ。渋谷、池袋チームはまだ来ないか?」
「探知機には何も映ってないの・・・
「信じないかもしれないが、この餓鬼ども式神だぞ。あちこちに式神が貼られているから、後何匹出てくるか分らん」
「くるぞ!」
4方向から餓鬼が一斉に飛び掛かってくる。タクマは瞬時にタイミングを計り、餓鬼を3連続で斬った。
「まずい、背後のやつが間に合わん。口鬼がいるから逃げる訳にはいかないし」
「んっ!口鬼は?」
タクマの目には4匹目の餓鬼が空高く粉々になって吹き飛ばされる光景が見えた。口鬼がその強靭は脚で蹴り飛ばしたのであった。
「すまん口鬼。助かったぜ」
「足手まといにはなりたくないんでね。右腕一本の代償は高くつくぜ。いくぜこいつら皆殺しだ」
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