第29話 横浜事件5

「いっ痛っうーー。誰だあいつ、攻撃が一切見えなかった・・ 俺のことを知っている、誰だ・・・ 左腕はもう使えない」


覚醒ツナがい出そうとしていると、次の衝撃が来た。その衝撃はオーラ状の異形の右腕だった。覚醒ツナはかろうじガードしたが、次々と来る衝撃により大ダメージを受けてしまった。九条は殆ど動かず、オーラを飛ばしていた。


「くぅー ガードするのが精いっぱいだぜ。後ろにミナトやレイナがいるから避けれねぇ」

「そろそろガードするのも限界だぜ。いったい誰だコイツ」


覚醒ツナは衝撃を受ける度に、過去の記憶がフラッシュバックしていく、10年前、100年前、500年前、1000年前、思い出した。この威力、最強最悪の神鬼しんき”酒呑童子”であった。ライコウも同じように気ずいた。


「なんとかしてよ。タクマ兄ィを助けてよ」


ミナトは取り乱しながらライコウの魂にタクマを助けるよう願うが、ライコウの魂は今のミナトの力では覚醒は無理と判断する。


「助けるっていっても、お前の体を使わないといけないんだぜ。この前は偶然に出来たが、今のお前じゃ俺を受けいれた瞬間に、体はバラバラにまっちまうよ」


連続した衝撃が中断した時、覚醒ツナは防御に陰陽力を全て使ってしまいタクマの姿に戻っていた。タクマは九条に目的を聞く。


九条は我が力を裏切り、人間と共存する我が鬼の一族を抹殺する。その邪魔をする者も排除すると言いった。その時九条の背後には巨大な異形の姿があった。九条は続けてなげかける。


「ライコウと四天王も人間に裏切られた同類だろ?何故人間の為に戦う?」

「何故だ・・・。お前らを生かしておくと後で面倒だから、ここで終わりにするよ」


九条の背後の巨大な異形は大きく右腕を振り被り最後の一撃を繰り出す。


「タクマ兄ィー」


ミナトはとっさに叫びながら飛び出しタクマの前に盾となった。


「ゴゴゴゴゴ」


一撃が繰り出される瞬間、会場全体が地響きと共に揺れだした。


「なんだ?」


九条は天井を見上げた。


その時、天井を突き破り一頭の巨大な紅い龍が現れた、その竜はタクマ、ミナト、レイナ、ツナ、ライコウを掴み飛び去って行った。

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