第27話 横浜事件3

横浜アリーナ正面。夕方にもかかわらず周囲に人気ひとけはない。そもそもオフィス街から少し離れているので、イベントがない限りこのあたりは静かである。


タクマが到着しレイナに状況を聞く。レイナは画面を見せた。


「見て、これ変じゃない? 色んな反応がごちゃまぜ状態なの。この無数の緑の点はたぶん鬼でOKなんだけど、このいくつかある赤い反応が変なのよ。動きが一定じゃないし、空中に浮遊しているような動きに見えるのよ。これって霊なんじゃない?」


「たしかに、俺も見たことない動きだな・・・ あと、画面には映ってないんだけど、とてつもないパワーを感じるんだ」


「タクマも感じたんだね。これは絶対やばいよ。すごく嫌な予感がする」


ツナがタクマの肩に乗ってきた。ライコウはアリーナをじーっと見つめている。彼は幾度となく死闘を繰り広げ、その経験が言葉を発した。


「・・・帰ろう・・・。みんな殺されちゃうよ。死ぬよ。さずがの俺様でも今の小僧の力じゃ転生すらできねぇし」


「ドォーン」


爆音と共にアリーナのガラス張りの壁が内側から粉々に吹き飛んだ。タクマとレイナは瞬時に内部へ突入した。


「だから、死ぬっていったよね?俺様はいかねぇからな」


ライコウは霊的エネルギーを使いバリアを張りミナトを守っていた。


「何が起きているんだ・・・」


内部の光景を目の当たりにしたタクマとレイナは唖然とした。そこに広がる光景は巨大な魔物に鬼が食われていた。


「これ鬼っていっても邪気や餓鬼じゃねぇぞ。純血種だ!」


タクマはオーラ化したツナの魂を手に纏い剣を出現させた。


「俺の業火で燃え尽きろ!」


鞘を抜いた瞬間真紅の炎に包まれタクマとツナ覚醒した。覚醒ツナは魔物を次々と一刀両断した。


その魔物の残骸は煙の様に消滅し、その後には紙の破片の様な物が残っていた。レイナはその破片を拾った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る