第25話 横浜事件1

レイナはバッグから警報のなるスマートフォンを取り出し画面をチェックした。

画面には地図が表示されていて、赤くマークされている個所をタップするとレイナの表情が変わった。


「ミナトくん、悪いんだけど、私行かないと」


「いいえ、こちらこそ大したお構いもできず」


「あと、ちょっとツナ借りていくわね」


「どこ行くんでか? タクマ兄ィに言っとかないといけないし」


「新横浜。大丈夫、タクマには私から伝える」


そこにライコウが口を挟んだ。


「ちょっと待ってぇい。俺様も行くぜ。そのねぇちゃんの顔付からしてただごとじゃなさそうだし、この間みたくツナが全く役に立たないかもしれんしのぉ」


「助かるわ、あなたが来てくれと安心だわ。ミナトくん刀忘れずに持ってきてね」


「えっえー ボクも行くんですか・・・それにあの刀ですか・・・」


ライコウはさっきテレビで、激カワ女子に人気の横浜スポットという番組を見ていて、横浜には可愛い女子がたくさんいると思っていた。しかし、新横浜は横浜と違うことをライコウは知らなかった。


「ここ所沢ですよ。今の時間、新横浜までは速くたって車で1時間30分はかかりますよ」


「大丈夫。ヘリで来たら、10分もあれば着くわ」


「ヘリって、ヘリコプターですかぁ? どこに停めたんですか?」


レイナ、ミナト、ライコウ、ツナは神社から少しはなれた空き地に停めている小型ヘリROBINSON R22に乗り込んだ。


レイナはヘッドセットを付け、タクマに通信をした。


「タクマ聞こえる? そっちも分かってると思うけど、とてつもない反応が出てるの。今すぐ向かって!」


狭い機内ではライコウ、ツナ、ミナトが大騒ぎしていた。


「なんかすげー騒がしいけど・・・ ミナトの声じゃねぇか。なんでいるんだよ!」


「今ね、ミナトくんに会いに神社にいたの。そこでツナもいたし、伝説の戦士ライコウに会ってみた見てみたいからみんな連れてきちゃった。こっちはヘリだからもう着くわ。場所は横浜アリーナよ。よろしくー」


「ったく、何考えてんだ、レイナの奴」


タクマは愛車ブラックのRebel 500で玉川ICから第三京浜に乗った。


その頃横浜アリーナでは全日本自由経済連合会(全自由会)主催の定期集会が行われていた。

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