松本を待つトモ

第45話新しい仲間

本文

「やぁっ!」

僕はスライムの魔獣に剣を振るう。


ぷしゃっ!


「これで全部かな?」

スライムは群れで行動する。

そして、体の中心にある核を壊さないと倒すことが出来ない。

しかも核を壊すと体が崩壊してしまうので駆除証明が持ちかえれないから厄介だ。


「この辺はハズレだな。場所を変えよう。」

リーダーのパパスさんが言った。


「そうですね。」


「もう少し奥に泉があります。そこなら他の魔獣もたくさんいるかもしれません。」

マァムさんが地図を見ながら言う。


ーー僕は今パーティーを組んで魔獣駆除をしている。

リーダーで戦士のパパスさん、魔法使いのマァムさんと僕の三人組だ。

そしてここはオサカ侯爵領の北東に位置するクルム ダテキミ侯爵が治めるクルム侯爵領だ。

余談だが人属の国であるマッシュ王国は東西南北にそれぞれ侯爵領がある。

東のシャラポワ領

西のオサカ領

北のクルム領

南のマツオカ領

マッシュ王国を建国する際に初代国王が四人の侯爵に家名を与えたらしい。

人々は四人の侯爵のことをグランドスラムと呼んでいる。


ーー魔獣は魔族領のある北に行くほど強くなる。

僕たちパーティーはクルム領の西側を南北に走るブルーフォレストの森に来ている。

この森は北限が魔族領と接している。

今は魔族との戦争が激化しているが、クルム領の南西部に位置するこの辺では戦争の影は見られない。


「あ、ありましたよ! あれが泉ですね!」

しばらく歩くと泉が見えてきた。


あれ?


泉に近づこうとすると、魅惑的な匂いがした。

あんなところにアワビがある。

匂いの元をたどると黒いアワビがあった。

僕は無性にイルイルしたくなってきた。

ムスコもギンギンになっている。

黒いアワビに向かって近づいていく。


「ファイア!」

僕がイルイルしようとズボンを下げたところでマァムさんの魔法が飛んできた。

黒いアワビが燃えている。


「あれ、僕は何をしようとしているんだ?」


「危なかったわ。これはマン黒ーブと言う人食い植物です。」

良く見ると黒いアワビはただの木のコブだった。


「こいつらは男性を興奮させる匂いで人を誘き寄せるんです。挿入するとコブが閉じて抜けなくなり、そのまま体を溶かされて吸収されてしまいます。」

なんとイルイル出来てもデルパは出来ないそうだ。

横を見るとパパスさんもフルチンで戸惑っているのが見えた。


「ありがとう、マァムさん。危ないところでした。」


「はい、まに合ってよかったです。挿入してたら、チンコを切断しなくてはいけませんでしたから。」

それを聞いて僕は戦慄した。

オカマにならずに済んでよかった。

それにしてもマァムさんの言葉使いはなかなかそそる。

こんな美人さんがチンコとか挿入とか言うからまたギンギンになってしまった。


「あら? まだどこかにマン黒ーブが!?」

僕のムスコを見てマァムさんが辺りを見回す。


「違います! これはタマタマ立っただけですよ!」

僕はマァムさんに言い訳した。


僕たちはその後熊の魔獣を何体か仕留めて帰った。


「それじゃ、一人金貨一枚ずつな。」

僕はパパスさんから報酬の分け前を受け取る。

街の冒険者ギルドに帰ってきたのだ。

ちなみにこの街の名前もエイオンだったりする。

正確にはクルム領エイオンタウンと言う。

前にいたオサカ領エイオンタウンとは姉妹都市だ。

町並みもかなり似ている。

最初は新しい土地にワクワクしていたが、こうもエイオンばかりだと興ざめである。

ーー僕たちは明日のミーティングをしてそれぞれの宿に帰った。

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