第2話僕とおかんと、時々渡邉と大水さん

「なるほど、ナイフって男性器の象徴なのか」




朝目が覚めた時、外は既に明るくなっていた。




「しかも、刺される夢って吉夢じゃん!」




今日はいいことありそうな気がして、テンションが上がった。




時刻は四時をまわったところだが、完全に目が覚めてしまった。




「まぁ、早起きは三文の得っていうし、起きますかね」




いつものようにトイレに行き、リビングに行く。




テレビをつけると、朝早いために普段みているニュースとは違ったものが流れている。


連日オリンピック関連の話題で持ちきりだ。


僕はオリンピックを性的な目でしか観る事ができない。


フェラリンピックとかあったら出てみたい。


審判として。






※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

「やりました!! フェラリンピック、ディープスロートの部、キンナメダル! ナメシコジャパン!!」


「ウォォォオ!!」



「それでは決勝で見事ダイソン選手を打ち負かした、菜芽子選手に聞いてみたいと思います! 最後はどんな気持ちで咥えていましたか?」


「そうですね、わたしのきゅういん力はダイソンにも負けてないぞ!って、首ヘルになっても続けるぞって気持ちで咥えていました!」

「いやー、最後の追い込みは凄かったですね~! 僕のムスコも思わず涙がこぼれていましたよ!笑」


「ありがとうございます!」


「最後に日本のみなさんに一言お願いします!」



「はい、好評価、ブックマーク、感想など何でもいいのでどしどしお願いします! お待ちしてます!」




※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

僕はそんな事を考えていた。



僕は四人家族だ。




父、母に弟が一人




貧乏な訳でもないが、裕福でもない。




父は警察官で、昔から剣道をやっている。


その影響で僕も小学生の頃に剣道をやったが、6年間でただの一度も1本がとれなかった。


中学に入ってからはやめてしまった。




バリバリの帰宅部だ。




遺伝のためか僕の身長は180cmほどで、中学生にしては高い方なのに勿体ないとよく言われる。


僕は運動音痴なため部活で醜態をさらしたく無かったのだ。




まぁ、本人のやる気の問題かも知れないけど。




家族が起きて来るまでには一時間位ある。




早起きしたが、何も行動していないため、1文も得することが出来そうにない。




ぼーっとニュースを見ていると、前日に予約していたのか米が炊けた音がした。




僕は腹が減ったので、炊き立てのご飯を茶碗に盛ると、冷蔵庫から納豆を取り出して家族より先に食べる事にした。




「とりあえず、学校行く準備だけでもするかな」




顔を洗い歯を磨き、一度部屋に戻り制服を着ると一瞬にして準備が整ってしまった。




しばらくすると誰かが起きる音がしたので、リビングに行くと、母がいた。




「あら大ちゃん、おはよう。どうしたの?制服まで着て、今日何かあった?」




「いや、変な夢見て目覚めた。」




「えーどんな夢?」




「だから変な夢」




僕は大絶賛反抗期中である。




親との会話は最小限にして、話題がひろがらないようにする。




「疲れてるんじゃない? 大丈夫?」




「うん、もう学校行くわ。」




「気をつけてね!」




行ってきますも言わずに家を出た。




母は優しく、ニコニコ手を振って玄関から見送ってくれている。




「やめてくれよ、もう。」




僕はそうつぶやいた。




反抗期は難しい時期なのである。










しかし参った、こんなに早く通学する事になるとは。




学校に着いたが、まだ人の気配がない。




しょうがないので教室に向かう。




「あれ?」




既に一人いた。




「あ、おはよー。」




クラスの女子、大水さんである。




いつもぼーっとしていて、ほんわかというか、何も考えてないのか、おっとりさんだ。




ちなみに顔面偏差値的には普通で素朴な感じであるが、陰キャの僕は女子というだけで緊張してしまう。


好きになりそうだ。




「おぱーーおはよ」




不意に挨拶されたため、危うく渡邉との朝の挨拶「おっぱお」と言いそうになった。ギリギリセーフ




「松本君、今日は早いんだね」




「早く目覚めちゃって。大水さんこそ早いね」




「私はいつもこの時間に来てるんだ。」




「へ、へぇーそうなんだ。」




話ながら自分の机に向かう。




僕の席は窓側で、大水さんは入り口側の席だ。




席に座ると微妙に遠くて話しづらい。


一度座った後に近づくのも変かな、と思い、そのまま会話する。




「こんなに早く来て、いつも何してるの?」




「んー? とくに何も。むかしからの習慣なんだ。」




席が遠くて聞きとりづらい。




そんな他愛もない会話をしていると、ちらほらと他の生徒達が登校してきた。




教室に他の女子が来ると、大水さんはその子と話し始めて、僕との会話は途切れた。




「大ちゃん、おっぱお」




「おっぱお」




渡邉が登校してきた。




「聞いてくれよ、昨日ネットでみたんだけど、男も潮ふくらしいぜ!」




「まじかよ。どうしたら吹くの?」




「何でも出した後も続けると出てくるらしいよ。昨日試してみたけど上手く出来なかったけど。」




「じゃあ俺も今日試してみるよ。」




面白い事を聞いた。夜が楽しみだ。












今日も平和な一日だった。そしていつものように渡邉と帰宅する。




「今日さ、帰りコンビニでコンドーム買わない? お金出しあって、はんぶんこしようよ。」




「いいけど、レジには渡邉が並べよ!」




「全然いいよ!じゃあ行くか。」




校門を出てしばらく歩いていると、後ろから声をかけられた。




「二人とも、まって!」




振り向くと大水さんが小走りで向かって来ている。




「あ、大水さんも家こっちの方なの?」




「うん、そうだよ! 途中までいっしょに帰ろうよ」




「いいよ」




三人で並んで歩いていると、渡邉がそわそわしだした。


目的のコンビニが近いからだろう。




「あ、俺学校に忘れ物したから、先に帰ってて。」




渡邉はそう言うと、来た道を引き返した。




女子との帰宅よりゴムを優先したのだろう。




「渡邉くん大丈夫かな?」




「あいつはただ、自分の思いを貫き通すーーそういう男だ。」




「そうなんだ」




彼がゴムを使う日は、きっと訪れないだろう。










「ふぅ」




あの後大水さんと別れてちょっとして、家に着いた。

意外と大水さん家は近い事がわかった。




暇な時に大水さん家を探してみよう。特に用はないが、クラスの女子の家を知っておくにこしたことはない。




別に好きではないが、大水さんは今日、俺的やれるかも女子ランキング第一位になった。気になるのは当たり前だろう。




弟はまだ帰っておらず、両親もまだ仕事だ。今のうちに渡邉が朝言っていた潮吹きを試してみよう。












今日も日課の腕立てを30回こなし、ベッドインする。




潮は出なかった。というより賢者タイムで本気で試す気力がわかなかった。






「あ、大水さんとアドレス交換お願いすればよかった。」




今日の雰囲気ならいけた気がする。

まぁまたチャンスはあるだろう。




そう考えながら、僕は眠りについた。

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