第120話 油断が死を招く
「水属性に宿る我が力よ、力を貸して!!ウォータースプラッシュ!!」
ドンドンドンドンドン!!
ハッ!!避けられた?光粒子は何!?紅?蒼?どっちかしら・・・
え??両方??ってことはジョーカーじゃない!!まさか・・・ザックス施設長が?
パタタタタタタタタタ
「待ちなさい!ウォータースプラッシュ!」
ドドドドドン!
ピクシーの羽の音、逃げていく
(なっ!今顔に命中したのに効いてない?)
「ハッ、イズミさん!!イズミさん!!しっかり~~!!」
「ルー、逃げ・・・メルー・・・つ・・たき・・・あな・・う・・・て・・・」
「イズミさん・・・う・・ううう・・・・」
_______________________________
ハッ!!
夢!!あの時の悪夢を・・・イズミさん、あの時あたしに何を言いたかったんだろ・・・
「起きたか?メルー?」
(やれやれコイツはいいよな、ピクニック気分で。)
「ごめんね健太、寝ちゃったんだね、あたし・・・」
「メルーちゃん、大丈夫?なんかうなされていたみたいだったけど?」
「うん・・・」
(・・・うんって・・・ハイムの心配している質問に対し、たったそれだけ?
いつもなら、大丈夫です〜ハイム様〜♪とか、キャッ!ハイム様に寝顔見られちゃった、恥ずかしい、もう、お嫁に行けない〜♪ぶりっ子〜ってな感じの、いつものメルーではない。どうしたんだろう。)
ピクシーの森へと続く水路洞窟も出口が見え、ついに健太達はピクシーの森へと到着した。
「うは、懐かしいなー。俺は24歳で羽が生えてここを去ったから、6年ぶりだよ!」
(・・・俺・・・まだ16歳なんだがな・・・)
「健太、ハイム様、懐かしんでいる場合はなさそうよ?」
メルーの言った事は本当かもしれない。
羽の生えていないピクシー30人くらいだろうか、四方八方囲まれている。
おそらく紅の子供達だ。
「なんだこいつら〜」
「でかいのがひとり〜びょうきかな〜」
「なんでこんなでかいのかなー」
「ほかにもあおいのがいるー」
「あおいのどうする〜」
「やっつけるか〜」
「みどりさまにほーこくほーこく」
「そうだ、ほーこくだ」
「ほーこくほーこく」
ガヤガヤガヤガヤ
ガヤガヤガヤガヤ
なんなんだこいつらは、紅なのはわかったが、お行儀が良くないな。
大勢いる紅の子供達は少しずつ距離をとり始めた、おそらく翠が来るのを待っているのであろう。
「健太、気を付けろ、恐らく奴が翠なのは風属性でも魔力でもなんでもなく・・・」
ウガーーー!!
やがて緑色の生き物を引き連れた紅の子供達が戻ってきた。おそらく翠と言われる生き物で間違いなさそうだ。
その時、緑色の何かが飛んできた!
「危ない!」
ハイムの叫んだ声により避ける事が出来た、一体なんだ?飛んできた緑色をよく見ると・・・
「な、なあ、ハイム!!これって・・・」
「ああ、これは・・・毒だ」
「毒?蒼魔法で解毒魔法ないの?」
「ない!」
毒・・・初めて見たぜ!これを喰らうと絶対にやばいよな・・・ドロドロしてる、気持ち悪いぜ!
そして意外にもメルーが口を挟んだ。
「健太、あたしが古代語研究員になった頃、当時ザックス所長は、翠種の毒の解毒剤を発明する事を求めていたのよ。
あたしの尊敬する先輩が遂に翠種の解毒剤を発明する事に成功したんだけど、発明した翌日にザックス所長に殺されてしまった。だから解毒剤は今存在しな・・・ハッ!!!!まさか!!」
どうしたのか、何やらメルーの様子がおかしい、一体どうしたのだろうか・・・
(ハッ、イズミさん!!イズミさん!!しっかり~~!!)
(ルー、逃げ・・・メルー・・・つ・・たき・・・あな・・う・・・て・・・)
(イズミさん・・・う・・ううう・・・・)
・・・イズミさん、あの時・・・そっか!あの言葉、あれは解毒剤のレシピなんだ!
でもイズミさん・・・わからない・・・わからないよ・・・
ウガーーー!!
またしても緑色の毒が飛んでくる!
「健太!またきたぞ!」
フッ、ハイムよ、安心しなさい。俺の光属性魔法バリヤでそんなチンケな毒なんて、効かな・・・
「あ、危ない!!ハイム様!!」
メルーはハイムを抱き、ピュアドローの1番上へ避難した。
ベチャベチャ
健太の自作防御魔法は効かなかった。バリアを貫通し、飛んできた毒は健太の胸辺りに全て付着した。
「あ、あら?失敗してしまったわい!」
「あのバカ、物理攻撃に対し魔法バリアをしやがった・・・おい!健太!大丈夫か!!」
「大丈夫大丈夫!余裕よ!どうやらこれくらいの毒は人間には効かな・・・」
(だ・・・ダルい、きゅうに身体がダルくなってきた。
呼吸もしんどく・・・)
バタン!!
(え?俺は、倒れたのか?)
「メルーちゃん!緊急事態だ、ピュアドローを解除し、地上へ移動する!!」
「はい!わかりました!!」
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