第115話 ピクニック?
そして、ここにもチャント高原のバピラ湖を目的地として、進んでいく3人がいた。
「フンフフンフフーンフンフーン♪」
先頭を飛んで移動している女ピクシーは鼻歌を歌いながら飛んでいる、上機嫌の様だ。
そしてその後ろを歩く人間と、その人間の肩に乗っている男ピクシーは何やらブツブツ言いながら移動している。
「ったく!メルーちゃんはなんか勘違いしているよ!!これは遊びじゃないんだ!!健太!何とかしろよ!!」
上機嫌のメルーとは反対に、ハイムは不機嫌の様だ。
「何とかしろと言われても、どうしようもないよ。メルーはハイムをお気に入りなのは火を見るより明らか。そんなメルーの幸せそうな顔を見ると、そっとしておいてやりたいんだが・・・」
「・・・ったく!もしメルーちゃんに何かトラブルあっても健太が助けろよ!?」
(何もそこまでメルーを避けなくても良いだろうに・・・そりゃーメルーの歳を知った事で興味が無くなってしまったその気持ちはわかるが、メルーの気持ちというものも、理解してやらねばならん。ハイムよ、嫌なら嫌ではっきり言ってやらないと、メルーのハイムに対するラブラブ度は大きくなっていくばかりだぞ。)
ピカトーレンとラマ国の境目にある川を北へ北へと進んでいく。もう少しでバピラ湖のあるチャント高原に到着する所まで近づいていた。
「はーい!ここで休憩をしまーす。ハイム様〜テネエケの泉の天然水を今日は持ってきました〜♪」
「え?あの有名な高級水を?ありがとう、メルーちゃん!」
「いえいえ、水屋でセールだったので、ポイント使っちゃいましたー」
(メルーの奴、テヘペロしてる!!
まっ、丁度俺もハイムも喉渇いていたしな。もらうとしよう。)
「・・・あ、あれ?なあ、メルー?俺の水はどこに・・・」
水を求めた健太だが、メルーは素早く健太の後ろに回り込んだ。そして、
ギュウウウウウウウ
っとハイムの見えない視覚で、健太腕を
「いッ!!」
(静かになさい!健太、あんたは川の水飲みなさい、川の水!!)
(は・・・はい・・・)
(健太?あたしはねぇ、今日に掛けているのよ!今日ダメだったら、キッパリとハイム様を諦めるよ。だから邪魔しないで!)
健太はメルーの本気度を確認した。その威圧感はとてつもない表情で本気だとわかる。とはいえ、ハイムの態度からして、叶わぬ恋になりそうだが・・・
「なあ健太、バピラ湖に着いたらどうすればいいか教えてくれ。」
メルーより貰った水を片手に、ハイムは飲みながら健太へ尋ねる。
「お!そういえばまだ詳しく教えてなかったな。バピラ湖は各国の境にある場所。普通に移動すると明らかに誰かに見つかる。だからさ、ピュアドローで潜る。そして捜索するんだ、必ずピクシーの森へと繋がる道がある筈だ!」
ピュアドロー、これはバピラ湖の調査をした時に、メルーに作ってもらった大きな空気玉。健太の提案をメルーとハイムはどう思うのだろうか。
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