第69話 暴徒フク
「い・・・今何て言った?もしかしてエルフのボ=ギールに案内されたって事?」
「・・・はい・・・我々が愚かだったのです。まんまとあの口車に乗ってしまいました。」
健太は直ぐに思い出した。水中調査した時に、マキ=オースガを操り何かしようとしていた事を。またあのエルフかと思うと、健太は苛立ちを覚えると共に、少し恐怖も覚えた。
そして長寿の実と騙した行動は一体どういう意味があっての事なのだろうか・・・
「今ラマ国で、この島にいる猫族は、山猫族と言われているんだが、俺の思うに山猫族なんて種族は存在しない!君たちは猫族だろ?」
「山猫族?私達がですか?ハッハッハ!初めて聞きました。まぁある意味この地に来たから山猫族かもしれません。なんせ私達は・・・」
縄文時代式の家に衝撃音が鳴る
ドドドドン!!!
なんだ!!一体?外で何かが起きている。みんなが慌てて外に出る。
ウォォオオオオ!!
何か化け物が叫んでいる。
「な、なぁ、なんだあの声は??誰だ??まさか、ロッヂか?」
「わかりません、しかし私達の猫族だと思います。」
「なにぃ?一体なんなんだ!来る!!」
じわりじわりと気配が大きくなりそして姿を現した。その姿を見た健太口が開いたままで、しばらく閉じなくなってしまった。
「あああ・・・ああ・・・あ??フク?なんでフクが巨大化してしかも暴れているんだ??
「危ない!キノシタ様!!」
巨大化したフクは、自分の尻尾で横降りをする。健太達は全員地面に伏せて避けた。もう少しで暴れているフクの尻尾リンチを喰らうところだった!
そこにハイムが飛びながらやってきた。
「おい!!ハイム!!フクは一体どうしたんだ??」
「わからない!!わからないけど、お弁当が無いならこの島の美味しそうな食べ物を探すって言って、なんか実を見つけて食べてたら、こうなったの!!」
「!!まさか!ああ!!あぶない!!」
バチ!!
ハイムと話をしていた為、フクから目を離してしまった健太、今度はフクの尻尾リンチをモロにくらってしまった!そのまま吹っ飛び縄文時代式の家の中へ転がり込んだ!
「いってぇええ!畜生、フクの奴め、許さん!!」
ハイムが何度も説得しているみたいだが、ピクシーの声じゃぁそりゃ届かないだろう。仕方がない、魔法を使おう。
フクがついに家を壊し始めた。俺はレーザービームをフクの腹にお見舞してやり、劣りになる。
「ハイム!どうすればいいんだ!!何かないのか!!」
「け・・健太!!あんた光の魔法を・・・」
「魔法の事は後で話す!!何とかフクを正気にさせる方法はないのか?」
「光の魔法つかえるなら、聖なる光をフク隊長に浴びせたら治ると思う!!」
「・・・わかった!やってみる。ハイム!悪いがしばらく劣りになってくれ」
聖なる光?どんな光だろうか、そんな時、集落の一人に声をかけられた。
「キノシタ様、もしよかったらこのステッキをお使いください。魔法使いにはステッキですぞ!」
ただの木の枝っぽい物に見えたが、無いよりはマシなのかもしれない。
俺は精神統一を試みた。深呼吸をし、そして唱えた
「【光の属性に眠る聖なる光よ】我に力を!」
「エイ!!」
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