第67話 カズラの地

 健太は遂に川沿いを上流していき、そしてついに狼煙のふもとまでたどり着いた。


見ると、家が1、2・・・5・・・8と8軒ある様子。ラマ国のような街というわけではなく、縄文時代に人が集団で住んでいた家っぽいのが8軒


 その家並の中心より狼煙が上がっていた。そして山猫族が何人かいるみたいだ。


 さて、どう接するか。集落のふもとより確認する限りでは、頭領っぽい感じの人物はいそうにない。とりあえず接触を試みよう。


健太は山猫族と接する事に決めた。


狼煙の周りに5人の山猫族が腰をかけてくつろいでいる。


「あの~~~すいません~~。」

健太は声をかけた。


 すると山猫族達全員が健太に気付き、睨みつけた。その目つきは猫独特の怖い目つきであった。


 そもそも猫の目は、光を見ると眼孔が長細く、暗い場所だと眼孔が開き丸くなる。しかしここにいる山猫族全員は眼孔が閉じている。もしかして目に異常があるのではないだろうか・・・


「えっと、この島にロッヂって言う頭領がいると聞いて来たんだけど⁉︎」


健太は質問を続けたが、しばらく誰も応えようとしない。そして、


「我々に何か用か?場合によってはキサマ、殺すぞ!」


1人がそう声をかけた。


「山猫族の頭領ロッヂを探している。俺はラマ国上層部外交官の木下健太と言う。」


その言葉を言うと、5人が一斉に健太に駆けつけた。


「ラマ?ラマ国ですって?」


「あんた、ラマから?ラマからこの島に来たのか?」


「こりゃ驚いた。島の外から誰が来た。」


「どうやってこの島に?」


???なんなんだ、この人達は??そして・・・


「お願いです!助けて下さい!我々をラマ国に連れて行ってください!!」


(一体ここはどんな国なんだ?)


「見ての通り、ここは離れ小島、そして我々は目が見えません。キノシタ様、どうか私達をお助けください!」


 やはりそうだ、彼らは目が見えない様だ。

健太は詳しく聞く必要があると感じ、更に質問を続けた。


「君達の頭領、ロッヂを会いに来たんだ。ロッヂは何処だ?」


 その質問をすると、全員が戸惑う表情をする。


「キノシタ様、ロッヂ様はここにはおりません。ここより更に上流した場所。カズラの地にいるのです。」


「カズラの地?」


「はい、しかしあの場所もロッヂ様も思いだしたくもない悪夢です。」


 健太はまた面倒な事に巻き込まれつつあると感じた。カズラの地とは一体何であろうか。


第8章 凶剣と聖スティックへ続く

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