第66話 極めつつある人差し指

 ラマ国より南西にある島、山猫族が生息している島。健太はラマ国の王、バッドの命により山猫族と話し合いを行う為、島へと向かった。未だ見つからない山猫族、はたして見つける事ができるのか。





 健太は滝の裏側にあった洞窟を見つけ、奥へと足を踏みいれたが、結局一本道、終点は滝の上側へと繋がっていた。


 健太はこの洞窟はおそらく自然に出来たのではなく、山猫族が作った洞窟なのではないだろうかと予測した。そうじゃないと、あの物影も思いっきり滝に飛び込んだりはしないはずだ。そして、出口から先をみるとまだ少し遠いが、狼煙が見える。


「とりあえず、あそこが目的地だな。あと1キロってとこかな。」

っと独り言を呟いた。


 あの狼煙に行ったからってロッヂがいるとは限らない。しかし行って情報を得ないと会えない。


ふとその瞬間また気配がした。


!!


 今度は正面からの気配、こっちに近づいて来る。


(ん?あれはさっきの物影じゃねーか、いや、山猫の子供?何かに追われているのか?)


よく見ると子供の後ろには大きな岩が子供に向かって転がっている。あの山猫族の子供は追われているのではなく、逃げているようだ。


 しかし、なんで岩が??考えている暇はない、健太は思わずレーザービームを放っていた。


山猫の子供の頭上をレーザービームが突き抜け、大岩に命中した。


 咄嗟に行う魔法、それは心を無にし、力まず、精神を、集中させ、イメージできるからこそ発動することが出来る。健太は右手人差し指を見つめていた。


 命中した岩はサッカーボール程の大きさに砕かれ散っていた。その一部始終を子供は見ていた。大岩が小岩になった事を不思議に思い、キョロキョロとしている。そして健太を見ると・・・


パチパチパチパチパチパチパチパチ


ぎこちない拍手をした後に、狼煙のある方向へと逃げていった。


そこへハイムがやってきた。


「健太・・・あんた・・・」


 このタイミングでのハイムとの合流・・・おそらく魔法がバレた。しかし健太は、まぁいずれはバレる事だし、国王補佐官のハイムなら知っておく必要もあるだろう。そう思っていたのだが・・・


「フクの弁当がないんだ、知らないか?」


へ?弁当??ってことは先程の事件をまだ知らないのかもしれない。


「フクは見つかったのか?」


「ああ、見つかった、今この後ろにある滝があまりにも美しいからってそこで弁当食べるらしい。」


「そっか・・・すまない、俺、弁当上層部休憩エリアに忘れてきたみたい・・・」


「なに~~~!!残念だ、フクきっと怒るぞ~~~~」


「すまん!って言っておいてくれ!俺はすぐその先にある狼煙、ついにもうすぐだ。一足先にいってるから、ハイムとフクはあとで来てくれ。フクにもそう伝えておいてくれ。」


「わかった、伝えてくるよ。」


健太とハイムはそれぞれ手を振りその場を離れる。


「・・・っておい!!俺とフク隊長は先輩だぞ!!またしても・・・」

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