第57話 レンジャースキル地獄耳
小さなティーテーブルを囲い、3人の話が始まった。
「では、何故戻ってきたのか、説明してもらおう。」
「ああ。」
健太はまず近況報告をシュケルに話した。研究所の事、住んでる環境、イルグルの家に居候している事、そして、上層部の外交官に任命された事を話した。シュケルは驚きと嬉しさの表情を見せてくれた。
「・・・と、言うわけなんだ。で、ここからが本題なんだけど、施設長ってさ、昔に山猫族と会った事があるって言ってなかった?ちょっとその山猫族との接触を任命されてさー。」
「そういう事か。確かに山猫族とは昔会った事はある。とはいえ、山猫族も猫族も同種、魔力を殆ど持たない戦士系の種族じゃ。そして一番印象に残ったのが・・・気が短く、気分屋な奴らじゃ!」
(気が、短く気分屋・・・まあ、猫なんてそんなもんだろう。)
「しかし健太、山猫族の爪には注意せよ、毒を持っておると噂を聞く。とにかく気をつけるのじゃ!!」
「そうか!わかったよ、ありがとう!じじい、それだけの情報がわかれば充分だ!」
「奴らのアジトは確かラマ国より南西に海を渡った先の島をアジトにしているはずじゃ、人数は500と小さな人口のはずじゃ、確か頭領がいてな、名前がロッヂだ。」
「ロッヂ、ロッヂじゃと?」
いきなりシエルが立ち上がり、大きな声で言いだした。
「ほう、シエルのクソじじい、知っているのか?」
「知ってはいるが会ったことはない。あの猫は非常に危険と噂を聞く。あの猫はワシら猫族の倍の大きさで、凶暴な奴じゃ!集団行動を好み、1人を嫌う寂しがり屋な面もある猫と聞く。
まさかロッヂは山猫じゃったとはのう。そして誰がクソじじいじゃ!!」
ロッヂは大きく、戦士系で、凶暴で毒爪を持っている。その情報をシュケルから聞き出す事が出来た。その情報を基に、健太はロッヂの島に行きながらどうするべきか考えながら移動することにしようと思った。幸いラマ国特殊部隊長のフクが同行してくれるらしい。
「よっし、とりあえず山猫の情報は了解した。二人とも感謝するよ。明日
「うむ、そうじゃのぅ、ってじじいはシュケルだけじゃろうに!」
ラマ国に早く帰って早く寝よう。そう考えシュールの玄関まで移動し、一応シュケルにお辞儀をする。
「悪いなシュケルじじい、時間とらせちまって、今度は食い物もって寄ることにするわ。んじゃぁラマ国に帰るわ!」
俺がそう言った時だった。
「帰るわ?どういう意味よ、健太!ふざけないでよ!」
リサだ、リサがあらわれた。
「あ・・・いや・・・」
「話は全部天井から聞かせてもらったよ、レンジャー能力、地獄耳でね。」
「いや・・・リサ・・・落ち着いてくれ!」
「お願い!!健太、ラマ国に行かないで!!」
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