第51話 誤り
ラマ国緊急国民会見と題し、行われる会見は、上層部の素早い対応にて全国民に伝わった。各エリアの集会所にそれぞれ集まり、ピクシー族の水属性魔法、水鏡壁。つまり、水の中で映る不思議な魔法で実況生中継で会見される。各集会所では、
「久しぶりにラマ国王の顔が見れる。」
「国王様万歳。」
「身体を大事にしてください国王様。」
等という声が聞こえているようだ。本当に誰一人バッドの父親、ラマ王が亡くなった事は未だ知らない様子。
勿論・・・あの研究所の者も・・・
「お?健太!おかえり、今日の任務は終わりかの?」
「おう、じじい、疲れたぜ~~~」
「おかえり!健太君、いろいろと上層部のお話いろいろと聞かせてくださいよ~!」
「おう、黒助!まぁその話は後でな~~!」
「健太~~~~!!どうだった?どうだった?上層部のピクシー、ハイム様々はカッコよかったでしょ? デートの話どうだった?」
「メ・・・メルー・・・また後で・・・話すな・・・」
落ち着く、やはり研究所の仲間達と一緒にいると落ち着く。健太はつくづく実感した。
「ところでどうしたのじゃ?急にラマ王様が会見を開くなんて、元気になられたんじゃのぅ」
「健太君は知らないと思いますが、ラマ王様とバッド様は親子なんですよ~?」
「あたし今度ラマ王に上層部ピクシー族合コン企画を考えて、自ら参加しようかしら」
(やっぱりか、じじい達もラマ王が亡くなっている事は知らない様だ。でもまぁ今からバッド王もお前らも国民全員で協力しあって国を発展、他国と共有、対立国からの防衛を結束する必要が今のこの国ではしなければならない。あとは頼むぞ、バッド!)
何故健太は急にバッドに対し、国民に真実を言う様に提案したのか、国発展、共有、防衛への感情が強くなってしまったのか、それはボ=ギールの野望、マキ=オースガの正体等を知ってしまった事により、今のままではいけないと自分で自然と理解したからであろう。
「あ、水鏡を見ろ!出て来たぞ~~」
「あ、本当だ、ぉおぉ、バッド連隊長様だ!」
「おおおお、特殊連隊長ばんざ~~~~い!!」
一気に集会所が騒がしくなる。さあ王よ、どうする?
「ラマ国民の皆よ、今から私の言う事を是非聞いてほしい!!」
うぉおおおおおおお!!
凄い声援だ、どうやらこの中央地区だけでなく、隣の東地区と西地区からも声援が聞こえてくる気がする。そしてバッド王がしゃべり始めると、皆静かに聞き始めた。
「私は皆に謝らなければならない事がある。8年前、ピカトーレンから『追放された我ら3種族』という言い方をしていたのだが、そうではない。ピカトーレンから新天地を自ら望み、『出て行った我ら3種族』だって事をまず皆に告白する。」
ザワザワザワザワ
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