第50話 会見提案

「さあ、連隊・・・国王!!上層部全員と全国民に真実を言ってスッキリするべきだよ!そりゃぁ真実を言って戸惑う者、驚く者、ショックを受ける者、逆に喜ぶ者と、様々だろうけど、隠せば隠すほど国の信頼を失なうよ?緊急会見を開こう」


「ああ・・・そうだな・・・ありがとう、木下健太。」


 健太とバッド達は応接の間に移動、上層部殆どを集め、真実を伝えた。数人知っていた様だが、驚きの表情をする者が殆どであった。上層部の声からは・・・


「こりゃ、信じられん。まさかラマ王が既にお亡くなりになっていたとは・・・」


「連隊長様、今まで辛かったでしょうに・・・でもなぜ我々に相談してくれなかったのですか!!」


「ラマ王は偉大な方でしたが、連隊長がバッド王となっても偉大な王になるのは間違いありません!!」


「私はバッド王に付いていきますよ!!」


 等と、誰一人嘘をついていたバッドに対し失望する者は現れたかったのだ。

その中でも予めラマ王や外交官が殺されていた事を知っていた国王補佐官のハイムと上層部隊長のフクは、健太の行動に対し、敬意を払った。


「君のおかげだよ、正直ラマ中央図書館がエルフ達に燃やされた時、国が壊滅に近づいていると思ったけど、君が国王の心を動かした。ありがとう!あっ、ボクは国王補佐官のハイム。よろしく!」


 ハイム?健太は思い出した。確かメルーがイケメンと言っていた上層部の蒼いピクシーだ。


「はは、健太君とやら、なかなか珍しい方だよ君は。私は人間を嫌って生きてきたけど、君みたいな人間もいるんだな。

あっ、失礼。私は上層部隊長のフクだ、よろしく。」


 毛ヅヤ、スタイル、仕草がなんとも美しいこの猫もまたイケメン、猫のクセにカッコいい?ハイムは人形の様な奴でもカッコいい?種族が違うとわからないと思うと共に、エルフかもしれないとマキ=オースガに想いを寄せる自分もやはりどうかしてると健太は思うのだった。


「よし、後は流回矢るえし3周半刻(21時)で全国民に真実を伝える会見をするんだ、それでいいね、王様⁉︎」


「ああ、木下健太よ、俺は覚悟はできている。」


「なんだよ、覚悟って、覚悟じゃなくてさ、希望とかさ、吉報とか良い言葉で挑もうぜ!?」


「フフ、健太は面白い奴だ、お前を外交官としてお願いし、それを承諾してくれた事には感謝せねばならぬな!心配するな、国民にガッカリさせない様に会見に挑むつもりだ。」


 バッド王の顔には国民を助ける!!っていう自信が見える。5万人という国民全員ではないかもしれないが、ほぼ全員を納得させる事の出来る演説であれば、この国は滅ぶことはない!そうなれば、俺も外交官だろうが、総理大臣だろうがやってやるさ!


 そしていつの間にやら会見間近の21時となった。

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