第36話 通じる言葉
『マキちゃん、聞こえるだろ?俺だ、木下健太だ!』
健太はマキ=オースガに日本語で話しをしてみる
『健・・太・・・君・・』
マキ=オースガは聞こえたのか?最後には間違いなく日本語で
『マキちゃん、目を覚ませ!こんな奴の言いなりになるな!俺と帰ろう、あの日本に帰ろう。』
『かえ・・・る・・に・・ほん?』
『そうだよ、日本に帰ろう。俺が必ずマキちゃんを日本に連れてってあげる!』
『にほん・・・に・・かえ・・り・・たい』
健太はマキ=オースガは間違いなく自分の知っている大須賀真希で間違いないと確信した。
「き、貴様、まさかマキ=オースガと同じ知能、古代の言葉を取得しているとはな、ククク、これは尚更貴様を生かしてはおけんな。」
「黙れ!何故だ!何故お前はビュルドローで息をしているがマキちゃんはしていない!?お前はマキちゃんに何をしたんだ!?」
「何をしたかだぁ?ビュルドローを使ってないだけである程度わかるだろ?マキ=オースガはもう・・・」
「ダークルカンは!ダークルカンは何処にいる!?やい、ボ=ギール!ダークルカンを連れて来い!!」
「あれやこれやと質問したい事だけ質問しやがって!たかがピカトーレンの人間なんぞに指図されてたまるか!」
ボ=ギールは背中に手を伸ばし何かを取り出す。弓矢だ、弓矢を取り出すと、弓を引き健太に向ける。
「小僧、バピラでは言ってはならない言葉や幻獣、そしてこのボ=ギール様に逆らった!当然これは死罪にあたる!死ねい!」
ボ=ギールの矢は健太をロックオンしている。水の中とはいえ、矢を射ても風の魔力で威力はあるのだろう、命中したらおしまいだ。けんたはそんな思いでいた時だった。
健太の目の前を水の固まりがボ=ギールにいくつも飛んでいく。
ダダダダダダダダダダダダ!!
「ぬぉおお!また貴様か!年増ボインのピクシー!」
「年増は余計よ!健太!早く逃げて!」
健太はボ=ギールが攻撃体制から防御体制になっている事を確認、素早くマキ=オースガの手を取り、素早く移動を試みる。
『マキちゃん!こっちだ!階段を見つけた!一旦上ろう。』
健太は上へ上へとマキ=オースガの手を引き上がっていく。
「ヴァン・アロー!!」
メルーの攻撃に怯んでいたボ=ギールだが、風の矢を放ち、メルーの攻撃をやめさせた。
シュシュシュ!!
「キャ!」
矢はメルーには当たらなかったが、とても早い矢がメルーの真横を3本通過した。
「ちぃ、邪魔をしおって!所詮蒼ピクシーは治癒魔法系種族、我らの足元にも及ばん!!」
「くっ・・・」
「しかし今は年増ボインの相手よりも、裏切り者と人間のクソガキの始末が先だ!クックック待っておれ!」
ボ=ギールはスタスタと足速に階段を上がって行く。
果たして健太達は一体この先どうなってしまうのか。
第37話 腕時計につづく
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