第25話 健太の魔力
シエルの言われた通り、うるおい屋に集合する事になった健太、一旦帰宅して釣り道具等を片付けに入った。
「いやーっはっはっは!ごめんねー、健太君。私3連覇達成したみたいで・・・」
ムカ
「いやー5メートル釣った時に溜め池の主かと思ったんだけどね、まさか6メートル87センチの巨大な主がまだいてねぇ⁉︎」
ムカムカ
「いやーーーはっはっは!もうこの世に7メートル級はいないと思うよ?私が全部釣り上げちゃったからねぇ。」
ムカムカムカ
「いやーーーーーーはっはっは・・・」
┣¨┣¨┣¨┣¨
「うるせぇ!!」
「うう・・・」
「ったく!暫くそこで寝てろ!」
★
そして夜、イルグルの家で居候している俺は、うるおい屋に向かう為に、イルグルとうるおい屋へ向かう。
「んもー健太君、そんなに怒らないでよー、ただの遊びじゃないかー。」
「・・・」
俺は何も言わなかった、いや、言いたい気分ではなかった。黒助が嫌なわけではない、どうも湖の中にあった街が頭から離れないのだ。こんな話を、優勝して浮かれているこの
うるおい屋に着くと、既にシエルはいた
「お前たち、こっちじゃ!!」
「早いなぁじじい、いつも遅いのにさぁ!」
「師匠、お邪魔します~」
いつから来ていたのか?シエルはほろ酔い状態だった
「しかし健太よ、お前はいつまでたってもワシをじじいじじい言うよのぅ。シエル様って・・・なぜ言えんのじゃ!」
「あ~っはっはっは、ついね、すまんな~じじい!」
「ほ~らまた言いよるわい、ニャッハッハッハ~」
「ところで師匠、お話とは?」
イルグルのこの一言でシエルの顔つきが変わり、うるおい屋の一室を貸し切っていた部屋のドアも閉めた。
「うむ、この話は健太に関する話なんじゃ!」
「ん?また俺か?」
「まぁ健太君でしょうねえ。」
「そうじゃ!第一健太の事でなきゃ、わざわざうるおい屋で話などせんわ!」
「あっそ、んで、どんな話?」
「うむ、話が長くなるが、今後大切な話になると思うから、よ~~~~く聞くのじゃ!
今日の釣り競技じゃが・・・結果はイルグルの正当なV3であった、イルグルよ、見事である。」
「いや~~はっはっは・・・」
イルグルはまた褒められた事に嬉しく笑い始めたが、俺の顔を見て何かを悟り、笑うのを止めた様だ。
「まぁその事はよい、実はメルーと健太しか知らないのじゃが、健太が8メートル50センチの古代黒魚を釣っていたのじゃ」
「なんですって!!健太君が!?」
「驚くのはそこではない、本来ならば初出場初優勝で健太の優勝・・・のはずだった。」
「だった?ってじじい、どういう意味だよ?」
「健太、やはりお主も気づいてはおらぬのだな、釣った魚はルール上審査される。これはルール説明の時にも言ったとは思うが、魔力の使用が認められると、失格となる。」
「え?ま・・・まさか・・・俺に魔力が?」
「・・・・うむ、ワシかとて、信じられんと思っておる。まさか魔力のマの字も持たない人間が、魔力を持っている可能性があるのじゃから・・・それが健太・・・・お前なのじゃ!」
言われている健太は混乱しそうになっていた。
(俺に魔力?魔力ってどうやって使うんだ?どんな魔法なんだ?ミサイルとか飛ばせるのか?)
と、そんな考えを持っている。
「実は健太をラマ国に連れてくる時、健太はメルーをチビチビとバカにした事があってのう。メルーは水魔法で健太を水で包み込んだ時、健太は魔力を放った疑いがあったのじゃ。」
「え?俺が?早速使い方を教えてくれよ!」
健太は目を輝かせ始めた。
「まあ待て、まだ話は終わっておらぬ。順に話すから待たんかい!」
「で、シエル様、その付着していた魚の魔力の分析は?」
「うむ、今メルーにしてもらっている。もうすこしで出来る頃じゃと思うがのう」
「な・・・なあ、もし俺にその魔力があったら、どういう時に使えばいい?どうすればよい?」
俺はワクワク感と不安感の両方を今抱いている。魔法なんて俺には無理だと思っていた。まさかこの俺が魔法を使えるなんて・・・って思うと現代に帰る事が出来たら、魔法を使ってマキちゃんを取り囲む奴らを退治して、その後に・・「ありがとう、健太君。健太君の魔法ってステキよ。」な~~~んて事に・・・な~~んて事に・・・
「な~~~んて事になっちゃったりして~~~~!!」
思わず声が出ていた、俺はその場で転がり続けていたみたいだ。
「このバカいつも妄想癖がひどいよのぅ・・・・」
「ええ・・・毎日寝言でマキちゃんマキちゃんとうるさいのですよ・・・」
「やれやれ・・・健太よ、正気に戻れ!良いか!まだお主が本当に魔力があるかはわからないんだぞ!?」
「!!え?どういう事だ?」
「もしお主が魚を捕える前から付着していた魔力だったとしたら?お前には魔力がない、たまたま偶然だったって事になる。しかも・・・その可能性が高いからこそ、今メルーに調べさせておるのじゃ!」
それを聞いたイルグルは
「それだ!それですよ!!絶対、健太君には悪いけど、やっぱり人間に魔力なんて考えられないですよ。」
「うむ・・・まぁ後はメルー次第なんじゃが・・・」
「失礼します!シエル様」
来た!!メルーが来た。
「メルーよ、ご苦労じゃった。どうじゃ、結果は出たか?」
「はい、出ましたが・・・あの・・・」
「ん?どうしたのじゃ?」
なんだよ、メルー、さっさと教えてくれ・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます