第24話 結果発表

 健太は再び中央地区広場にある釣り上げ報告所で手続きをした。後はメルーが審査して結果発表を待つだけとなる。健太はかなりデカいブラックバスを釣り上げた。優勝間違いなしと自信たっぷりの顔をしていた。


 しかし周りの目は厳しい視線であった。健太は人間である。初優勝が他国の人間となると、ラマ国民も面白くは無いだろう。それでも健太は肴祭りに参加したのは、何故なのであろうか。


 第一太陽は完全に沈み、第2太陽の弱弱しい日差しが地球を照らす。

 健太はよく思うのが、なんで太陽は2つなのだろうか?この45億年で何かがあったのだろうが、太陽が分裂し、2つになったのであろう。そういった研究は、この時代ではまだできないかもしれない。


 やがて地区会長のシエルが皆ぬ向けて大きな声で話し始めた。


「皆の者、大変お待たせをした。」


うぉおおおおおおおお!!


パチパチパチパチ


「これより結果発表を行う。まずは第5位じゃ!!第5位は、東地区の猫族プイックルじゃ、東地区じゃからここにはおらぬ。」


ぉおおおおおぉ


パチパチパチパチ


・・・別に叫ぶ事じゃねぇだろうに・・・


「次に第4位じゃ!第4位は・・・初入選ラマ王国上層部特別連隊長バッド様じゃ!!」


ぉおおおおぉ


パチパチパチパチ


「なお、バッド様は上層部会議室にて授与される。続いて第3位じゃ!

第3位は・・・西地区より、猫族のワイパーじゃ!!」


ぉおおおおぉ

パチパチパチパチ


「ワイパーも西地区で授与じゃ!つづいて第2位じゃ!」


来た!おそらく2位は俺か黒助・・・さあ・・・じじい、教えろ!第2位はどっちなんだ!!


「第2位は・・・中央地区の・・・ブチブチのゴジョーじゃ!」


「うぉおおおおおお!!俺だぜえぇええええ!!」


「ぉおおおおぉ俺らの地区から・・・・ぅおおおおおお!!すげえじゃねぇか!ゴジョー!!」


「フッフッフッフ、まぁザっとこんなもんよ!!」


 一体どういうことだ?なんであのブチブチが2位なんだ?優勝は俺?それとも黒助?もしかして二人とも優勝か?


「お待たせした!!では、いよいよ優勝者の発表じゃ!今回の、優勝者は・・・

過去最高の巨大魚なんと6メートル87センチを釣り上げた、中央地区の黒猫のイルグル!!」


「ぉぉおおおおおおおおおおぉぉ!!またしてもあの少年が!!」


「V3じゃないか!おめでとう!!」


「キャーー!!イルグル君凄いわーー!!」


「やられたぜ、兄弟、俺は準優勝だが、次こそ負けないからな!!」

ワイのワイのワイの


「以上を持ちまして、表彰式を終わりじゃ!肴の日はこの後、夜がメインじゃからのう。皆の者、今日は飲むぞよ!飲みましょう!」


パチパチパチパチパチパチパチパチ


・・・え?終わり?俺は?どういう事だ?俺は8メートル釣ったんだぞ!なんで?なんで?俺が何故優勝じゃないのか?そんな態度をとっているとシエルが気付いたようだ。


「おお、健太よ、お主に話がある。今晩はめでたい肴の日じゃ、ワシは酒を飲みながら、うるおい屋にてイルグルと三人で話そうぞ。」


「あ、ああ・・・」


どうしたんだ?シエルのじじい、なんか真剣な顔していたな・・・


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る