4章 健太の属性
第20話 ラマ国民の休日
[俺の名前は木下健太、16歳の人間だ。
12歳の時、ダークルカンと言われる闇幻獣に、この地パピラへと連れ去られてしまった。
あれから4年が過ぎ、ピカトーレンで言葉やこの地の文化を学び、今はラマ国の古代研究員として仕事をしながら、イルグルという真っ黒の猫族の家で居候をしている。
居候とはいえ、(イルグル)通称黒助はわざわざベッドや俺の部屋まで準備してくれている。それには感謝しないとな。
それとラマ国の国民の間では、俺は奴隷とか、捕虜という扱いになっている。今ならなんとなくわかるが、やっぱりピカトーレンとラマの国民同士、仲が悪いんだよな・・・
そんな生活をして来て、もうかれこれラマ国に来てから3ヶ月目になりそうだ。
明日は何やら面白そうなイベントがあるらしい。ラマ国を代表する毎年恒例の肴祭りがもうすぐあるらしい。
詳しく聞くと、国民の休日なんだが、国民全員が川や池、海で魚釣りをするらしい。その釣った魚を肴料理として皆でワイワイガヤガヤするのが定番らしい。]
そんな休日が明日に迫っていた。
★
「フッフッフッフ、出来たぜ!」
健太は力作で何か作った様子。
「ん?何が出来たんですか?健太君?」
「フッフッフ、聞きたいか黒助、これだよ、ルアーだよ。」
「るあー?この変な魚みたいな物がですか?」
イルグルは右目を大きく、左目を小さくなんとも難しそうな顔をしながら、力作ルアーを見ている。
「変な魚とは失礼な!こう見えても俺は釣りの健ちゃんって言われてたんだぜ!」
「え?もしかして健太君、肴祭りに参加するのですか?」
「あたぼーよ!良いか黒助、昔の人間がどれ程知恵を絞り釣りをしていたのかを俺自ら教えてやるぜ!このルアーでな!」
「は・・はぁ・・・それと明日の肴祭りとどう関係あるのか知りませんが、楽しみですねぇ。あっ、でも、そのるあーとやらに付いている3つ針みたいな奴、危ないから取りましょうよ?」
「いや~~黒助ともあろう方が・・・君は釣りのノウハウを全く分かってない!」
ムカ
「僕、前回優勝者ですよ?」
「明日の優勝は・・・諦めることだな・・・」
ムカムカ
「前々回も優勝しました。」
「V3を逃したな・・・残念!」
ムカムカムカ
「健太君!そんなおもちゃなんかで魚が釣れると思ったら大間違いですよ!」
「フッフッフやってみなきゃわからねーだろー?」
「ウヌヌヌヌヌヌ」
「ウムムムムムム」
「フン!!」「プイ!!」
やれやれ、黒助の奴もまだまだ子供だな。たかが釣り程度でそこまで頭にくるとは・・・やっぱり猫だぜ!
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