第16話 同じ爆発音

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「ただいまー、あー腹減った〜。母ちゃんおやつおやつ〜」


シーーーーン


「おろ?いない〜?おーい、母ちゃ〜んおやつ・・・」


クンクン


ん?クンクン、なんだ?この匂い⁉︎ガス臭い?台所からか?


「え?ガス漏れ?」


・・・ハッ!!ガスをなんとかしなくちゃ!


「ただいまー、お?健太、もう帰ってたのか?」


「と、とーちゃん!こっちきちゃダメ!」


「ん?何言ってんだ?健太⁉︎」


「タバコ吸いながらこっち来ないで!!」


スタスタスタ


「なーに言ってんだ、と〜ちゃんだって疲れているんだからさ・・・ガ、ガス!

 逃げろーーー!!健太ーーー!!」


ドドーーーーーーーーーン!!



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 そう、あの時と同じ爆発音、ガス漏れはガス屋の不手際が原因だったらしい。あの事件で俺はとーちゃんを亡くした。俺はとーちゃんに爆発の瞬間に伏せてもらい、左手左腕の一部のみの火傷で済んだ。そして今回は・・・



・・・ぃ・・・ぉぃ・・・おい!しっかりせんか!!


「う・・・」


「健太!!大丈夫か?」


 (俺は・・・生きている・・・一体何があった・・・ハッ!)


「じじい!ドズラは、ドズラは無事か!!」

健太の問いに、シエルは首を横に2回振った


「・・・心配するな、命に関わる程ではない、爆発音の時、お前を庇い、入り口まで出てきた所で倒れたのじゃ、今はイルグルとメルーが治療の為、連れて行った。」


「そうか・・・」


 健太は大きくしを深呼吸をして気持ちを落ち着かせる。


「残念ながら、図書館の本や資料は全て燃えてしまったようじゃのう。一体中で何があったのじゃ!」


健太は紅ピクシーのカイトとオークの話をシエルに話した。


「そうか、危険な目に合わせた上に、更に危険な目に合わせてしまったようじゃのう、すまぬ健太!」


「いや、収穫が何もなく、俺もその・・・すまねぇ!」


 健太はシエルに頭を下げた。人生初めて自然に謝罪し、謝る事を現代ではない未来で学んだ。条件反射かどうかわからないが、謝罪した事で健太の気分は少し楽になった。


「ところで健太、そのカイトとか言うピクシー、左頬に傷があったりしたかの?」


「あった、あったよ!じじい、もしかして知り合い?メルーの兄弟?」


シエルは首を横に振り、話し始める。


「いや、あの左頬に傷のあるピクシーはのう・・・」


 図書館の火は既に消えており、紅ピクシーもオークも姿がない、シエルとそんな会話をしようとすると。イルグルが戻ってきた。


「黒助!ドズラは?」


「大丈夫、かなり傷は深いけど、今メルーちゃんが治療してる。メルーちゃんの蒼魔法で何とかなりそうだよ⁉︎」


 それを聞いた健太は大きく深呼吸した。身体が多少安心したのだろう。隣のシエルも同じ様に深呼吸している様にも見えた。


「あ、それと、これが1番大事、ドズラの着ている毛皮の服から6冊だけど、図書館の本が見つかったよ。」


「何!!」


「何じゃと!!」

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