第6話 シュールの仲間達

 健太の一日は、朝早く起きて、掃除か調理か買い物を行い、朝ごはんを食べ、教養場"マーズ"で勉強を流回矢るえしが1周するまで行い、健太が在住している家"シュール''に戻り、またまた手伝いをする。

 そんな自由のない生活ばかりをしている健太にもそろそろ我慢の限界がやってきた。


 健太は毎日マーズから帰宅すると、先ずはシュケルの手伝いから始まる。シュールの施設に住む者は必ず行うしきたりである。

 今日はどうやら庭掃除のようだが・・・


「なあリョウ、野球しようぜ?」


「やきゅう?ああ!前教えてくれた玉打ちか

!?あれは面白れ〜、やろうぜ?」

 健太とリョウは、ホウキをバットに、タワシをボールにして勝負を始める。


「前は健太に打たれたからな〜、しかし今回は簡単には打たせん!」


「望むところだ!来い、リョウ!」


 リョウがかなり強めに投げたタワシを健太は打とうとしたが、空をきる!


ワンストライクとなった時、健太とリョウの行動を目にした2人がいた。


「健太〜リョー、何してるの?」


「んだんだ。何してる?」


 いつも2人で行動しているリザードマンのマルスとノーラがジッと見ていた様だ。


「よう、マルス、ノーラ、お前達も野球教えてやろうか?面白いぞ?」

 健太はホウキを片手でブンブン振り回しながら、仲間を集うが・・・


「いや・・・遠慮しとく。」


「んだんだ、施設長シュケル怒ったら怖いし。」


 リザードマン2人はあっさりと誘いを断った。彼らリザードマンは主人に忠実な種族、シュケルに迷惑をかける事を嫌がる。野球をしている所をシュケルに見られたくないから野球をしないというのが本音であろう。


 そして更にもう1人、シュールに帰って来た。


「あの、健太君!?リョウ君!?君たちのその不真面目さは僕達にも迷惑をかけているんです。掃除道具で遊んでる暇があったら、勉強しましょうよ!」


 今度はウルフのラウルからも注意をされた。ラウルはリョウと同じウルフだが、リョウとラウルは真逆の性格。ガツガツ動くリョウに対してコソコソ行動するラウル。又、頭が悪いリョウに対し、マーズでも一番偉いかもしれない程の天才がラウルだ。

 言いたい文句だけを言って、ラウルはさっさとシュールの中へ入っていった。


「なんでい!言いたいことだけ言って逃げやがって!ふざけんじゃねー!」


 健太はリョウが持ってるタワシを取り、シュールの入り口に投げつける・・・が、コントロールを誤ってしまう。タワシは入口横にあるガラス窓にぶつかった。


パリーーーーーーン!!!!


 ガラスは見事な音を立てて割れてしまった。その瞬間、健太とリョウは青ざめた。


「何じゃ何じゃ?あ!!どうしたこれは?」


 シュールの施設よりシュケルの声が聞こえる。健太はリョウにアイコンタクトを送る。リョウは頷き四つん這いになる。そしてリョウの背中に乗った健太は一目散にシュールから離れる。


「リョウ!飛ばせ飛ばせ飛ばせ!じじいにバレたらヤバいぞ!」


「わかってる!、いつもの丘上一本木に向かうぞ!」


 2人は毎日ではないが、こういった生活を繰り返していた。





 ピカトーレンとラマの国境付近で、猫とピクシーはピカトーレンへとコッソリ侵入した。


健太こぞう、待っておれよ、ワシは必ずおぬしをラマに連れて行くぞ!」




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