第8話 散歩
毎日が休日の様な生活が始まった。
朝はだいたい10時くらいに起きる。そして20時くらいにはもう寝ている。
起きている間は特に何もすることはなく、ぼーっとしていたが、最近は先生に本を勧めらたので読むようにしている。
先生とはだいぶ上手くやっていけている。会話こそ少ないがたまに色々な事を教えてくれる。教えるのは相変わらず楽しいらしい。
今日は先生の仕事がなかったので外に出かけた。買い物とかではなく、軽い運動がてら散歩に行くことになった。家では俺も先生も常に椅子に座っているのでだいぶ運動不足だった。山に登るかと言う話もあったが、次の日に響きそうなので止めた。
「そういえば、先生ってなんで結婚してなかったんですか?」
「喧嘩を売ってるのか?」
「いや違いますよ。彼氏くらいはいると思ってました」
「彼氏すらいない。こんな性格だ、いてもすぐに嫌われてしまう。」
「そういうものですかね」
「そうらしい」
先生は性格が悪いと言いうわけではない。どちらかと言うと良い方だと思っている。
しかし勘違いされやすい。誰に対しても距離を感じさせるような冷たい口調や態度がそう感じさせてしまう。知らない人からすると既に嫌われているのかと思うだろう。
「もったいないですね」
「そんなことはない。君こそいないのか?」
「いると思いますか?」
「さぁな、興味も湧かないな。でもいたら自殺はしないだろ?」
「しますよ多分」
「君は変わってるな。理由はあるのか?」
「はい」
「ならいい」
「先生も変わってると思いますよ」
「ふん。お互い様だな」
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