第6話 罪と罰
あれから二~三時間先生と話していた。
先生は不器用らしく。愛想も良くないため警察の人にお願いして入院の間だけカウンセリングをしてもらっていたらしい。最後に渡されたメールアドレスは先生のものらしく。口下手な彼女なりのやり方だったらしい。
顔は不愛想だが、話してみるとそうでもなかった。
真面目過ぎる上に、不愛想で口下手なので生徒に勘違いされることが多いので、極力話さないようにしてるらしい。
~~
一週間がたった。
運の悪いことに、自殺未遂をしたということでアパートから強制退去の命が出た。当然だろう。損害賠償もあり、相続金のすべては無くなるとのことだった。
親戚にも連絡が行っていたのか、音信不通になった。当然かもしれない。
これで天涯孤独となった。
病院生活も終われば、本格的に住む場所や食料が無くなる。
「佐藤。君はこれからどうするんだ。住む場所もないだろう?学校はどうする?」
「そうですね。困ったことに。探してみてるのですが、どこのアパートもダメっぽいですね。しばらくは野宿ですかね。学校は辞めるつもりです。行っても嫌な思いするだけなので。」
「そうか。君がよければなんだが私の家に住むか?もう生徒じゃなくなるし、特に問題はない。ある条件下ならただで住まわせてやる。」
「そうですね。条件を聞いてからでもいいですか?」
「その前に質問だ。君はまだ死にたいか?」
「はい。」
「そうか。ならこれは制約だ。期間は半年だ。半年の間でいい私の家に住め。その期間だけは絶対に死ぬな。君にはこの期間に生きる理由を探してもらう。些細なことでもいい。何かに興味を持て。それが条件だ。」
「なるほど。半年で見つけれなかった場合は?」
「制約の範囲外だから私は自殺するのを止めない。そうならないための制約だ。」
「分かりました。その条件でいいならお世話になります。なんでここまでしてくれんですか?」
「それが私の罪と罰だからだ」
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