第5話 責任

 

今回は近くに看護師さんはいなかった。

代わりに愛想のない担任がいた。


「なぁ佐藤。どうして自殺した。なぜ私にあんなメールを送った。何かの当てつけか?」


メール?なんのことだ。俺は確かに警察の人に送ったはずだが。


「迷惑をかけました。メールは誤送です。違う人に送ったはずなんですが。」


「佐藤。なぜこんなことした。」


「何故と言われましてもね。周囲からの悪意と母のもとに行きたかったからです。他には特に意味は無いです。俺自身が死のうと特に誰も気にしない。みんなが噂していた通りになるんですからね。」


「なぜそれを私に相談しなかった。私は君のカウンセリングも担当していた。」


「担当でしょ。ただ話を聞くだけでしょ。心配もしてくれない人にカウンセリングをしてもらう?馬鹿げてるだろ。あんたには不向きだ辞めた方がいい」


「…」


「…すいません。少し言い過ぎました。」


「いやいい。私の責任だ。なあ、今からでも少し話さないか?」


「いいですよ。何から話しますか」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る