第9話 スカート

 スカートの丈が短くなることを一体男子や先生は何センチから気が付くのだろうか。


 あからさまなビッチがスカート丈を短くして男を誘惑するということは幸いにもこの学校では全くない。


 朝のホームルーム。


 なぜか今日の彼女は、いつにもまして視線が冷たく怖い印象で、周りのファンですら近寄れずにいて目を合わせずにいた。


 一体何があったんだ。


 『…………お、おもいきってスカートの丈を短くしてみたのですけど……誰かに私の下着を見られていないかしら……』


 「おいおい、そんなはっちゃけたことをするってことはだいぶ高値の花として努力することにストレスを感じているねぇ」と他人事のように思いながら、ふと何気なく、何センチくらい短くなったのか気になるところである。

 

 『五ミリですが…………きっとみられていないわよね」


 俺は内心吹きだして笑いそうになりながら知らぬ存ぜぬを決め込む。


 それくらいで気づいたら一周回ってそいつの方が変態だろう。


 だが、五ミリ短くなったという事実も相まって彼女の「太」ももはむっちりとしていた。

 

 『やっぱりおかしいかしら……』


 うん、おかしいけれど、おかしくないと思いたい。


 帰宅のチャイムが鳴る。


 先を歩く彼女が、席の近くの紙くずを拾って太ももから膝裏にかけての美しいラインを見せてくることに俺は思わず生唾を飲み込むのだった。


 

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