第4話-ネム編 最深部での夢の出会い
「よし!いくぞ!」
少年の合図で、ネム、ロイン、そして少年の三人は一気に扉をくぐる。
「わ、すげー……王様の部屋みてえ。」
「玉座まであって……誰の部屋なんだろう?」
ポカーンとした顔をしているネムとロインの元へ、少年が声をかける。
「ロイン!あの黒いネズミを倒してくれ!」
「よく分からないけど、分かった!」
そう言い、ロインは”誰にも届かない足場”にいるおもちゃのネズミを一匹殺す。
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その時。ネズミのもとにあった1つの箱が「パカッ」といい音を立てて開く。
「ネム!ロイン!奴が来るぞ!構えろ!」
「あ、うん!分かった!」
「ちゃーりゃあ!ようわかんねぇけどやってやるぜ!」
その時、玉座に突如青い髪をクルクルと巻き、気高そうな少女が済ました表情でこちらを見る。
「え、あれ、襲ってこねぇぞ?」
どうやら、少年の予想とは違う展開になった模様。
そんな三人を置いてけぼりにするように、少女はネムに語りかける。
「御機嫌よう。”ペンネン・ネム”。」
「!」
「この声は!」
ネムは、驚いた表情を隠せなかった。
それもその筈だ、この少女。”こちむ”こそ、ネムをここまで案内した張本人だからだ。
「ん?ネム、コイツと知り合いなのか?」
少年は問う。
「知り合いってゆーか……今日夢に薄ら出てきて、俺をここまで導いてきたやつ。」
「そうそう。ネム、普段かなりわがままなんだけど、なんか青いねーちゃんが〜……って、今日ここまで来たの。」
そう助言するのは、ロインだ。
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少年は、驚きを隠せないままポカーンとしている。
「は……はぁ……早くコイツ倒して強化の書とか欲しかったんだけどなぁ。」
そんな少年に、こちむは語りかける。
「まぁ、そう急がないこと。」
「先ずはお茶をしましょう。殺し合いはそれからですわ。」
そう言い、こちむは使いの者を呼んだ。
「クロノス達!この少年少女にお茶を用意なさって!」
「はい、こちむ様。」
そうして、世にも奇妙なお茶会は始まる。
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「ネム、よくできましたわ!」
「よ……よくわかんねーけど……褒められて悪い気はしねーな……。」
「ふぅん……アンタがネムをここまで導いたのは、なんか理由がある訳?」
ロインはこちむの目的を探ろうとする。
こちむは、お茶を嗜みながら冷静に答えた。
「ネムの夢に、茶髪で兜を被った女の子が出てきてるはずですわ。」
「その子を、”成仏”させてあげたくて一番素質が似ているネムを導きましたの。」
「茶髪の……女の子?」
ネムは、そうそう!という感じでロインに話しかける。
「その通りなんだよロイン!毎晩その茶髪のガキが入れて入れてー。って叫ぶ夢を見るんだよ俺!」
「もうわけわかんなくてウンザリしてたけど、青いねーちゃんを殺せばソイツはもう夢に出てこなくなるんだな!?」
こちむは、少し引いた表情を隠しきれない。
何故なら、こちむは本気で殺し合いをするつもりなど無いからだ。
「失礼……わたくしとしたところが、少し物騒な言い方をしてしまいましたの。」
「殺し合いは撤回。」
「お遊戯会、に致しますわ!」
置いてけぼりの少年は、待ちきれなさそうに短剣を構える。
「おい!二人で話を進めて訳が分からないぞ!早くこいつと戦うんだ!」
「失礼致しましたの。」
「では、ネム、準備は宜しくて?」
「お遊戯会、の始まりですわ!」
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茶髪の少女の夢、ネムの素質、その意図、とは?_____
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