第3話-あんみた編 鉱山と二人の仲良しさん

 悪魔メイド、あんみたは今日も調べ事をする準備をしていた。


 「ふんふ〜ん……今日も鉱山に行こうかしら〜。」


 その姿はどちらかと言うと、ピクニックに行く一人の少女だが。


_____


 -エーデルシュタイン レーベン鉱山-


 「着いたわ〜さて、家族の遺物等探さないと〜。」


 そんな呑気に物騒な事を言いながら、あんみたは鉱山内に入ろうとする。

 その時、仲睦ましげな二人の少女をあんみたは見た。


 「あら貴方たちお散歩〜?この先は危険だよ?」


 そんな呑気なあんみたに言葉を返したのは二人組の”青い方”七空だ。


 「む。その通り。ちょっと空中散歩していてね。」


 その後に相方と思われる幼げな少女が言葉を繋げる。


 「ななちゃんとお空を旅してるの!そうしたらここに迷っちゃって。」


 あんみたはふーむ、という顔をした後こう答えた。


 「どこに行こうとしたの〜?」


 「む。僕達オルビスの雲の公園に住んでるんだけど……」

 「ななちゃん、どうする……?このままじゃ帰れないよ……?」


 あんみたはパッ、と閃いた表情を見せ、得意げにこう言った。


 「なら、わたしに着いてきて〜♪わたし、空飛べるから。」


 七空と相方、咲雲は喜びながらあんみたの後をついて行くことにした。


 「ねぇピンクのお姉さん、あなたってコウモリさん?」

 「うふふ、わたしは悪魔よ〜。でも大丈夫。もう人に危害は加えない、って決めてるから〜。」


_____


 そんな雑談をしていたら、広い空は直ぐに雲へと向かう。


 「あ、この景色……」

 「もしかして、もう着いちゃったのかしら?」

 「はい!あの、ピンクのお姉さん……あなたは?」

 「”あんみた=ちょころって”よ〜よろしくね♪」


 「それじゃあ、仲良しのおふたりさん、また会いましょうね〜。」


 そう言いながら、あんみたは翼を広げて元の場所へと戻る。

 七空と咲雲は見届けながら、こうヒソヒソとお話をしていた。


 「ねぇななちゃん。あの人少し血の匂い……というか、人を殺したことのある匂いしたよね?」

 「む。僕もそれ感じてた。血なまぐさい……というか、なんというか。」


 あんみたは気づかず、いつの間にか鉱山すら通り越して自宅へと戻っていた。

 そこで思い出したようにポツリ、とこう呟く。


 「最近夢に出てくる王冠の子……本当に何者なんだろう?」

 「あの子がわたしの家族を殺したのかしら?」


_____


 あんみたはまだ気がついていない。

 自身の血の匂いに、そしてその血の意味に_____

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