第3話-ネム編 ドキドキ時計塔チャレンジ

 時空が混ざってからある程度の日が経った。

 そんな中、ネムは思い立ったようにロインに声をかける。


 「ローインー!」

 「お、どうしたネム。またコールドアイ狩りに行きたいの?」


 しかし、その日のネムの様子は微妙に違った。

 ネムはロインを揺さぶりながら、こう言った。


 「なぁなぁ、ルディブリアム行こうぜ!」


 急な発言にロインは目を白黒させながら返答する。


 「急にどうしたの?まぁ、いいけど。」


―――――


 ルディブリアム町


 「なんかな、夢ん中で青いねーちゃんがこっちに来いって言ってきたんだよ。」

 「ず、随分唐突〜……ホントネムって行き当たりばったりだよね。」


 そんな談笑をしながら、ネムはふらふらと街を観光していた。

 その時。


 『チビスケ、宜しくて?』

 『わたくしがチビスケよ夢を叶えてあげるから、わたくしの言うことを聞くように。』


いきなりの天の声に、ロインは驚いていた。


 「わわっ!いきなり何!?しかも上から目線!」

 「落ち着けロイン。俺の言った天の声ってコレだから。」

 「わぁ!ネムの割に冷静!」


―――――


 『まずは、街の西の塔に行くこと、宜しくて?』

 「うーい。」


 ロインは、ついてけない。という表情を隠しきれずも乗り気のネムについて行く。


 -ルディブリアム、エオス塔-


 「なぁなぁ、夢ん中の青いねーちゃん。ここでいーんだよな?」

 『よくできましたわ!次はさらに上に登りなさい!』


 ネムは天の声の言うままに行動する。

 今のロインにできることは、珍しく従順なネムを見届けることだ。


 エオス塔上部。そこにはネムと同じくらいか、年下か、そのくらいの年代の少年少女が集まっていた。


 「わっ、小さい子だらけ〜……ネムと変わりないくらいじゃん!」

 「ロイン〜……俺もうガキじゃねーんだよ!」


 そんな談笑をしていたら、ネムは一人の少年に声をかけられた。


 「なぁ、お前”ハイパーボディ”使える?」


 ”ハイパーボディ”……己の体力の限界を突破させるスキルだ。


 「よくわかんねーけど!俺強いぜ!」

 「ふぅん……まぁただの戦士じゃないみてぇだし、入れてやるよ。」


 ネムはよく分からないまま、一つのグループに入れてもらった。


 「あ、あとそこのロン毛。」

 「わたしはロインって名前があるんだけど……何か用?」

 「遠距離探してたから、お前も入ってくれ。」


 ロインもよく分からないまま、ネムと同じグループに入る。

 その時。


 『ふふふ、仲間作りは成功したみたいですわね。あとは任せましたわ!』


―――――


 「……あ、青いねーちゃん。」

 「無責任に投げ出したね〜……」


 そんなことを言っていたら、少年は二人の腕を引っ張りながら、塔の秘密地域へと誘う。


 「いくぜ!まずは算数からだ。」


 ネムは勉強がからっきしだったが、幸いこの”算数”は

グループメンバー一人一人がタコを狩る

と言うだけのものだった。


 「ちゃーりゃあ!」

 「そーれっ、と!」


 ネムは自慢の矛を振り回し、ロインは弓矢を構えてタコを狩る。

 タコ、と言っても、おもちゃのブロックでできたようなカクカクのタコであるが。


 「よし!第一関門クリア!ありがとうな!」

 「俺勉強できねぇからどうなるかと思ったぜ……」


 第二関門。


 「えっと、銀髪は適当に余ったところ。ロインはあの距離の遠いところ。俺は下に行く。」

 「待って待って!?お前、俺の扱い雑だな!?」

 「しょうがないじゃん、戦士ってそんなもんだし。」


 ネムは嫌、という顔が隠しきれないがロインも少年も手をつけていないところのネズミを狩る。


 「こちら終わったよー!」


 真っ先に終わらせたのは、ロインだった。

 続いてネムが終わらせる。


 「あのにーちゃん、遅いな〜」

 「仕方がないよ。大人しく待とう?」


 そう言っていたら、少年は下からやって来て申し訳なさそうな顔をしながらこう言った。


 「すまん……思ったより魔力が必用で、遅れた。」


―――――


 第三関門。


 数字の書かれたブロックが、綺麗に並んでいる。


 「この中で数字一番ダメそうなやつ。」


 少年はそう聞いて、ロインは真っ先にこういう。


 「多分ネム。この子算数のテストからっきしだから。」

 「うぉおーい!ひどいよロイン!」


 そう嘆いてるネムに、少年はこういう。


 「悪ぃ悪ぃ、言い方悪かった。ここ、数字苦手な人が一番席座った方がスムーズだからさ。」

 「うぅ、複雑……。」


 そう言い、ネムは一番のブロックに、ロインは二番、少年は三番から九番を順番通りに座った。


 1-4-6辺りに移動した頃。


 「おっ、パンドラの箱が開いた!」


 少年は嬉々としてドアを開く。

 どうやら、このブロックは特定の数字に座ると箱が開く、と言ったものらしい。


 「それじゃあ、ラスボス戦行くぜ!」

 「よく分からねぇけど、分かったぜ!」

 「了解!みんなの役に立てるように頑張るからね」


 そう三人で意気込んでいた所。


 『2014年の世界、楽しんでるようですわね。』

 『では、わたくしを楽しませることはできるかしら?』


 天の声は、こう言い残してまた消えた。


 天の声は、何をしようとしているのか?

 ネムの夢と関わりがあるのか?―――――

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