37 領主直々の売り込み

「ノーラ姉の言う通りだとおもいます」


 離れに戻って二人きりになると、システィリアは堰を切ったようにしゃべりだした。


「エメローラさんは『恋』がしたいだけで、実際に恋をしているわけじゃないんです。って、ええと、これじゃよくわからないですね。自分で言っててこんがらがってきました」


「いや、わかるよ。エメローラはお母さんの語る話から『恋』を作り上げ、それを自分の身で体現したいとおもっている。でも、その『恋』は聞き伝えで作られた、エメローラの頭の中にしかないものだ」


 ノーラは、直前のシスティリアとの会話で、思考が真理に至る場合と妄念に至る場合があると指摘した。

 その上でエメローラの『恋』は母親の語りによって作られたものだと言ったのだから、ノーラはエメローラの『恋』を妄念と断じたことになる。

 他に言いようはなかったのか⋯⋯と思わなくもない。普通はエメローラを傷つけないようもっと遠回しな表現を探すだろう。

 いや、ノーラなりに表現を選んではいたのだとおもう。エメローラは『恋』という芝居を待つ観客にしかなっておらず、主演女優として恋をしているわけではない、というふうに。

 だが、それだって十分にキツい言い方だった。ノーラに悪気がなく、本当に自分が考えたことだけを言ってるとわかるだけになおキツい。


「エメローラさんをノーラ姉のところに連れてきたのは失敗だったかもしれません⋯⋯」


 システィリアが肩を落とす。


「いや、誰かが言わないといけないことだった。システィリアはずっと伝えようとしてたけど、エメローラの耳には入らなかった。ノーラが言ったからこそ聞いてもらえたんだ」


 王もおそらくは同じような感触をもっていたはずだ。しかし、祖父の結んだ約束を果たせない王の立場ではエメローラを諭すこともできない。そこはエメローラを拾ってきたバッカス男爵夫妻に任せよう、といった腹づもりなのかもしれなかった。つまり、エメローラの説得は暗黙のうちに俺とシスティリアに任されていたといってもいい。だが俺とシスティリアはなまじエメローラに情を感じてるだけに、エメローラに直言することができなかった。それを、ノーラが先にやってくれたというわけだ。汚れ役を狙ってかぶってくれたのか、単に空気を読まずにやったのかはわからないが。


「わたし、エメローラさんのところに行ってきます」


 システィリアが言った。


「いいのか? そっとしておいたほうが⋯⋯」


「わかりません。そうかもしれませんけど、やらずに後悔するよりやって後悔するほうがマシです。すくなくともわたしなら誰かに一緒にいてほしいとおもいます」


 傷ついた時に誰かに一緒にいてほしいか、一人でいたいか。

 人によって分かれるところだとおもうが、システィリアは一緒にいてほしい派で、俺は一人でいたい派のようだ。エメローラはどちらかといえばシスティリア寄りだろう。


 システィリアが離れを出て行く。

 先に寝る気にはとてもなれず、村から運んできた荷をほどきながら俺は待つ。

 システィリアは存外早く戻ってきた。

 というか、行って帰ってくるくらいの時間で戻ってきた。


「どうした?」


 俺が聞くと、


「ワッタがエメローラさんと一緒でした。今さらわたしが入れる空気じゃなくて⋯⋯」


「あいかわらず積極的なのか消極的なのかわからないやつだな」


「しょうがないじゃないですか。でも、あの様子ならワッタに任せたほうがいいとおもいます。わたしじゃケンカになるかもしれませんし」


「かもな」


 俺たちは知らず知らずのうちに人間側に立って考えてしまっているかもしれない。

 その点、ワッタのほうが相談役には適任だろう。ノーラも言ってたように、ノーラ自身もシスティリアも相談事には向いていない。こと恋愛となると俺だって無理だ。

 ワッタは、言葉こそまだ拙いながらも、年齢よりもずっとさとい娘である。一行の中ではいちばん相談役に向いてるかもしれなかった。






 翌朝、食堂におっかなびっくり顔を出すと、明るい表情のエメローラがそこにいた。


「聞きました!」


 いきなりそう言われてまごついた。


「な、何をだよ?」


「レオナルド様がパトリック様を決闘で破ってシスティリア様との結婚を認めさせた経緯を、です!」


 俺はエメローラの隣に座るワッタに目を向けた。

 ワッタがついっと目をそらす。


「『どうして婚約者を奪った俺を憎いと思わない? 俺なら烈火のごとく怒り狂うぞ!』そう叫ぶなりレオナルド様は木剣を振り下ろしーー」


「や、やめろ! 恥ずかしい!」


 歌うように決闘の再現を始めたエメローラに、俺は顔に血がのぼるのを自覚しながらそう叫ぶ。


「『あんたは昨日言ったな! システィリアを幸せにできるのは、俺ではなくておまえだと! なんでそれを、おまえの口からシスティリア自身に言ってやらない!』レオナルド様の打ち付けた剣が、剣の達人であるパトリック様を押していきます! ですが、その時パトリック様もーー」


「だからやめてくれって! っていうかワッタ、どこでそんな詳しい話を聞きつけやがった!? あんとき村にはいなかったろ!?」


「おばあさんに、聞いた。村では、語り草」


「ばあさんの仕業かよ!?」


「うふふっ⋯⋯べつに恥ずかしいことではないじゃないですか。今でも思い出すだけで胸が熱くなります」


 システィリアが頬に両手を当ててそう言った。


 そこに、ノーラが現れた。

 空気を読まないと公言する彼女らしくもなく、どこか気まずげに食堂に入ってくる。


「おはようございます、ノーラ」


「え、ああ、うむ。おはよう、エメローラ」


 エメローラの明るさに驚いた様子で、ノーラが朝の挨拶を返す。


「昨日はご忠告ありがとうございました。考えてみればみるほどおっしゃるとおりだとおもいます」


「そうか⋯⋯では⋯⋯?」


「いえ、たしかにごもっともなのですが、わたくしにとってお母様が大事な存在であることもまた事実。お母様が生涯大事にされていた気持ちを知りたいというのも本当のところなのです。わたくしがその舞台に立てるかどうかはべつとして、です」


「ならば、どうする?」


「王子様に、一度お会いしてみたく思います」






 王子に会いたい。言うは簡単だが、実際には段取りを踏む必要がある。

 王に言えば会う機会くらいは設けてくれるだろうが、すぐにとはいかないのも事実である。

 それに、俺がこれまでに聞いた限りでも、王子の評判は微妙なところだ。会った結果としてエメローラが結婚の約束を見切ったのに、王子のほうでエメローラに目をつけないとも限らない。

 エメローラが傷つかず、トラブルになることもない形がないものか、システィリアとノーラが知恵を出し合ってる中で、宮廷のことがわからない俺とワッタは暇だった。

 エメローラのことはもちろん心配なのだが、俺にできることがないからな。


 俺には、他にも王都で果たしておきたい用事もあった。

 せっかく王都に来たのにずっと屋敷の中ではかわいそうということもあり、俺はワッタを連れて王都の街中に出ることにした。


「人、多い!」


 ワッタはシルベスタの雑踏をあっちへこっちへ走り回る。

 珍しいドワーフということもあって人目を引くが、向けられる目は意外にも好意的なものが多かった。ワッタは見るからに明るく素朴な少女で、人種を超えて好印象を与えるようだ。


「えーっと⋯⋯お、あれか」


 俺は目的の建物を発見した。

 ネール商会と書かれた看板のある、こじんまりとした商店だ。


「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用件で?」


 店に入ると、俺と同年輩くらいの男が、書類から目を上げて聞いてくる。

 とくべつ愛想がよくもないが、無愛想というわけでもない。

 真面目で実直そうだが、かといって堅物すぎることもなく、むしろ人当たりはよさそうだ。


「突然ですまない。俺はレオナルド・フィン・バッカス男爵という。アスコット村の領主をしている。アスコット村と言っても、知ってるかどうかわからないが⋯⋯」


「ああ、あなたがあのバッカス男爵ですか!」


「えっ、俺を知ってるのか?」


「そりゃもう。剣の達人で知られるローリントン伯爵と決闘して婚約者を奪ったと⋯⋯ああ、すみません、これは無神経なことを」


「いや、いいけどな。噂になってるのかよ」


「ローリントン伯爵の婚約者といえば、ノージックの至宝とも言われたエルドリュース公爵家のご令嬢ではありませんか。決闘ののち正式にアスコット村の領主となられたこともあって、いったいどのような経緯があったのかと話題になっております」


「たしかにはた目から見れば謎だよな」


 なんだってパトリック(ローリントン伯爵)の元部下でその所領の代官だった俺が、その婚約者を巡って決闘をやらかしたのか。しかもその決闘はパトリックの勝ちだったはずなのに、システィリアは俺と結婚し、その上俺はアスコット村の正式な領主になった。はっきり言ってわけがわからない。俺だっていまだにどうしてこうなったと思ってるくらいだ。


「そのバッカス男爵にご来店いただけるとは光栄です。

 ああ、ご挨拶も遅れて申し訳ありません。私はリンド・ネールと申しまして、この商会の会頭をさせていただいております。

 男爵、本日はどのようなご用件だったのでしょう?」


「ああ、なんというか、売り込みだな。アスコット村で作ってる産品が商売になるかどうか見てもらえないかと思ったんだ」


 アスコット村を訪れる商人は少ない上に不定期だ。

 これまでは宿もなかったし、この村ならではの産品があったわけでもない。

 つまり、商人にとってわざわざ立ち寄りたい村ではなかったってことだ。


 もちろん、アスコット村はほぼ自給自足が成り立ってるので、今のままでもいいといえばいい。

 とくに平穏な田舎暮らしを望んで代官になった俺なんかは、村の暮らしに満足してる。


 だが、村に生まれ育った者たちからすれば、外との接点がないのはつらくもある。

 とくに若い世代は、村の刺激のなさに不満を感じることもあるようだ。中には、もっと刺激のある都会で暮らしたいと言って村を出て行く若者もいる。

 俺からすると何を好き好んでこんないい村を出て行くのかと思わなくもないが、人間生まれ育った土地のいいところは外に出てみないとわからないものだ。


 そうした若い世代の希望に応えつつ、貴重な現金収入を得る意味で、アスコット村に名産品を作り、商人に定期的に寄ってもらえるような環境を作りたい。

 要するに、ちょっとした村おこしだ。


 そこまで説明はしなかったが、ネールは俺の一言半句ですべてを理解したらしい。


「なるほど⋯⋯。ですが、なかなか難しいものではございますよ。どの村も⋯⋯とまでは言いませんが、多くの村が同じようなことを考えてはおりますので」


「それは承知の上だ。ここに紹介状もある」


 俺は紹介状をカバンから取り出してネールに渡す。


「これは、ローリントン伯爵からの紹介状ですか。しかし、決闘した相手からの紹介状とは⋯⋯」


「まさか王都でそんなに噂になってるとはおもわなくてな」


 行きが一緒だったので、ついでに紹介状を書いてもらい、信用できる商人を教えてもらったのだ。

 もともとアスコット村の領主だったパトリックは、村の発展のためならと一筆書いてくれた。もちろん、俺が持ち込む産品に相応の価値があることを確認してから、な。そうじゃないと紹介者の信用が落ちてしまう。

 なお、ノーラにも信用できる商人はいないかと聞いたのだが、パトリックと同じくこのネール商会を挙げていた。小規模ながらも信用のおける商人だと。


 システィリアの知己であるノーラの屋敷に厄介になってるとはいえ、こちらも貴族である以上タダで寝泊まりするわけにもいかず、ノーラには滞在費を支払っている。システィリアによれば相場より相当安いらしいのだが、小身の貴族には小さくない出費である。

 エメローラの滞在費は王が支払ってくれそうだが、俺やシスティリアの滞在費については、もし王から出してやると言われても辞退するのが貴族としての嗜みらしい。一旦丁重に断って、その上でなおいくらかは出すと言ってくれれば、その分はさすがに受け取ってもいいという。とはいえ、たとえばこっちの滞在費の三分の一を王が負担してくれたとしても、残りの分だけでも俺たちにとっては大金なのである。

 それならばかねてからの懸案だった商会への売り込みをこの機会にやってしまおうというわけだ。領主直々に村の売り込みをするってのもなかなかない話だとおもうけどな。


 俺は背負ってきた大きなリュックを下ろして蓋を開ける。


「貴族としての身分を生かして無理に売り込むつもりはない。純粋に商売になるかどうかを見てほしいんだ。そうじゃないと関係が続かないからな。ま、威張れるほどの身分でもないけどよ」


「バッカス男爵はよく商売というものをご存知でいらっしゃいますね」


「まずは、この毛皮だな」


 俺はリュックから毛皮を取り出し、机に広げる。


「猪の毛皮ですか? いえ、違いますね。まさか、ワイルドボアの? ここまで状態がいいものはそうそうありませんよ」


 ネールがにわかに真剣な目つきになった。

 ワッタに教えてもらった方法で解体した魔物の素材は、通常の方法で解体したものより格段に状態がよくなる。魔物の体内にある核を先に壊すってだけだが、知識がないと思いつかないし、ドワーフの鍛えた解体ナイフがなければ核を壊すのは難しい。

 もちろんそんな方法のことはおくびにも出さないけどな。


「さすがにこの品質のものはいつも取れるってわけじゃないが、たまにくらいは取れるんだ」


「ほう。頻度によっては十分足を伸ばすに足りますね」


「今回は別件で王都に用があって出てきただけだから、持ってこれたのはこれだけだ」


「そうですね⋯⋯この状態なら、おおよそこの程度の額にはなりましょうか」


 ネールが値段表のようなものを取り出し、毛皮の買取額を提示する。


「ローリントン伯爵の紹介状もございますので、正直なところをお話ししております。他の商会を何軒か回っていただいてもかまわないのですが、おそらく毛皮の買取ではうちは高値をつけられるほうかと」


「そこは疑ってないさ。ただ、他のものも持ってきたから、話をまとめるのはひと通り見てもらってからにしよう」


 俺は今度はリュックからチーズのブロックを取り出した。

 俺の頭くらいはある円いブロックだ。


「最近酪農を始めてな。まだ生産量は少ないが、アスコット村は空気も水も恵まれてる。システィリア⋯⋯ああ、俺の妻なんだが、彼女は料理も得意なんだ。それなりにいける味になってるとおもう」


 ブロックとはべつに、試食用にあらかじめ切り分けてきた小さなチーズをネールに渡す。アスコット村の植物の葉で包んだチーズには、爪楊枝が添えてある。


「男爵の奥様はエルドリュース公のご息女でしたな。なるほど、食にもお詳しいのでしょう。

 それではいただきます。⋯⋯ほう、これは。癖のないよいチーズですな」


「需要がわからなかったから香りはつけなかったと聞いてる」


「いえ、これだけ素材がよければ、香りはつけぬほうがいいでしょう。貴族向けの高級店に卸せる味だと思います。実際に高級店に持ち込んでみなければわからないところはございますが」


「高級店に持ち込んでくれるなら、今回のチーズは試供品ってことで提供してもいい。もし持ち込みが成功したら、その時は考慮してほしいけどな」


「ふむ。やってみる価値はあるでしょうな。いえ、ぜひともやらせていただきたいところです。

 お持ち込みいただいた品は毛皮とチーズでよろしかったですかな?」


「実はもうひとつある」


 相手が信用できそうかどうかを見極めて出すつもりだったのだが、ネールはまともな商人だろう。パトリックとノーラが揃って太鼓判を押しているならなおさらだ。


「これも、いつも確実に用意できるってもんじゃないんだが⋯⋯」


 俺はうす紫色の液体の入った小瓶を取り出す。


「それはまさか⋯⋯高級ポーションですか!?」


 ネールが身を乗り出した。


「ああ。アスコット村は空気と水が本当によくてな。俺も見つけたときには驚いたんだが、まれに宵待草が自生してるんだ」


 システィリアが見つけた宵待草は、雨水を与えるという他にもいくつかの栽培上の課題を乗り越え、今ではまずまずの割合で育てることができるようになった。今でも原因不明のまま枯れてしまう株もあるんだけどな。

 宵待草は保存にも難があるのだが、村秘伝のどぶろくの酒精を濃くする技術を応用して、高級ポーションもどきを作ることに成功してしまった。

 宵待草の栽培はシスティリアの、ポーション化はばあさんの功績だな。


 高級ポーションそのものは、既に王都の錬金術師たちが作ってるものだが、数が少なく高額で、精製方法は極秘である。といっても、べつに専売になってるわけじゃない。ただ、他で作れるやつがいないってだけだ。


「錬金術師のポーションと比べてどうかは調べられてない。高価なものだし、比較のために怪我人を探すのもちょっとな」


「それはそうですな。秘密の保持という問題もございますし」


「ノーラ⋯⋯ワーデン博士もたまにここに練金薬を卸してるって聞いた。販路は持ってるんだろ?」


「おお、ワーデン博士ともお知り合いなのですか。それならば信用してお話ししますが、たしかに当方でポーションをさばくことは可能です。そうですな、効果のほどにもよるのですが⋯⋯」


 ネールの示した金額に、俺は思わず目玉が飛び出しそうになった。

 今回の王都滞在費をポーション一本で回収できる金額である。

 が、動揺すれば足元を見られかねないので、俺は平静を装って言った。


「そういうことなら頼みたい」


「かしこまりました。男爵は村に商人が巡回することをお望みでしたな。そちらのほうも手配させていただきます。当商会は規模としては大きくありませんので、最初から頻度を高くはできませぬが⋯⋯」


「採算の合う範囲でやってくれればいいさ。こっちも小さな村だから、あまり生産に追われるような状況は避けたいんだ。毛皮や宵待草は運任せなところもあるからな」


「なるほど、それでしたらあまり規模の大きな商会でも差し支えがありそうですな」


 ネールが頭の回転の速いところを見せてうなずいた。


「俺の理想は、のんびりと田舎暮らしを楽しむことなんだ。商売は余裕のある範囲で十分だ。村人の暮らしが少し楽になればいいってだけで、商売でキリキリ舞いになるようなのは本末転倒なんだよな」


「男爵は人生において何が大事なのかをきちんと把握しておられるのですな。実際、巨額の商いをしていると、その部分が狂ってきやすいのです。私もそれで大商会を辞めた口でして。当商会では、規模ではなく利益の率で商売を組み立てるということをやっております。その意味では男爵とはあい通ずるところがございましょう。長いおつきあいをいたしたいですな」


「ああ、こちらこそよろしく頼む。

 そうそう、アスコット村にはこれまで宿がなかったんだが、最近ちょっとしたものをこしらえたんだ。生野菜や川魚なんかは鮮度があるから流通には載せられないが、新鮮なメシは王都ではなかなかできない贅沢だぜ? イノシシ鍋をどぶろく片手につつくのが最高でな⋯⋯」


「ほほう、それはそれは⋯⋯」


「⋯⋯ねえ、ショウダン、まだ?」


 俺のアスコット村自慢トークは、話に飽きたワッタが止めに入るまで続いたのだった。

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