第8話 陰謀と謀略

オギリ副隊長が傷ついた体をヨタヨタと引きずりながら

森の奥へ入っていく


周囲に誰もいない事を確認し

宝石なようなモノを取り出して、それを砕いた


光りの粒は空への閃光となって、眩く走った。


『はい、はい…私です…』


オギリ副隊長は誰かと話し始める。


『はい、例の物は手に入れました…情報もかなり…はい…』


『第十六騎士団の連中は、予定通り始末しましたが 何人かは無事なようです…』


『データも取れました、動きは良好です…』


『ええ、ソフィア隊長は森の奥へ、もしかすると”遺跡”へ到達したのかもしれません…』


『…、まさか 中に入れるはずが…! 反応が? あり得ません…一体何が…』


『いえ、はい、はい…申し訳ありません 村の者達も始末しようとしたのですが、村長が…』


『はい、まさか ”剣聖”の一人だったとは、情報がありませんでした…素性を隠し、村に隠れ住んでいたようです…』


『はい、”タナトゥラ”は想定通り動きました、心配入りません』


『遺跡に辿り着いたとしても、ソフィアを始末するでしょう、ええ、私の制御下にあります…』


『…はい、予定外な事、失態もありましたが、目的のモノは手に入れましたし、村は焼いています…あとは、我々でうまく処理出来ます…』


『はい、はい…誰も私の正体には気付いていません、16騎士団も解体されるでしょう…はい、問題はありません…』



『すべては、順調です、兆しもありました…はい、ご命令通りに…”解放の時”は近いです…。』


『はい、それでは失礼します……国王陛下…』




自分が無力に、ソフィアさんを抱えて、座り込むところに

突如現れた、女性がゆっくり近づいてくる


異変は感じていたが、自分には もう反応する力すら残っていなかった


彼女が敵であっても、もう為す術はない…


しかし、敵ではない そういう確信があった。



彼女が、隊長と僕の表情を覗き込む


そっと、隊長の頬に触る


光りが、暖かい光が

僕と隊長を包む


そうかと思うと、光は隊長の中に集約されるように集束していった


眩い光にくらみそうになった、自分の目を開く



ソフィア隊長の表情に、生気が戻っていた…。


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