第4話 隔世の覚醒

闇の世界と、光の世界の戦争があった

数ある宇宙の中で、それは繰り返されている。


聖胤の福音 第一章より



■ 北天馬騎士団 団員ニークスへの聴取記録


質問する者

「その、未確認のマモノに襲われた時、君はどうしたのか?」


ニークス

「自分は、何も出来ず…ヌシが攫われ、皆で追いかけましたが ヌシは…」

「ヌシの遺体を調べ、遺品の回収などしましたが 同期の者達は泣いていました…」

「すると、また奴等は襲って来ました。 しかも複数いた…!」

「とにかく早く、異様な動きでした… 自分は気付くと一人逃げ出していました…」

「情けないとは思いますが、自分が奮戦してもどうにもならなかった」

「みんな敵に対応にしている内に、散り散りになっていたし、それでパニックになり…」

「ヌシの、身体が半分に引き裂かれた あの姿がチラつきました…」

「自分もそうなるのではと…」


「それから、あなたは あの森にとどまった?」


「はい、とどまるしかなかったのです…」

「隊長も、誰もいない、森は深く 霧が立ち込めていました」

「今、思えば 侵入者を防ぐ魔法がかかっていたようにも感じます。」

「動けば、また あのマモノに遭遇するリスクがありました」

「……いや、とにかく恐くて 動けないでいた それが正しいです…」


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この遺跡は、見れば見る程

自分たちの文明とは程遠い建築様式な気がした。


いや、自分は建築になんて詳しくないし

世界だって見て回った事はない

文明といったら、村くらいしか知らないのだけど


何か、直感的にそう感じるモノがあった。


壁には模様のような、あるいは文字のような

そんなモノが浮き出ている、しかもそれが微かに光るのだ

階段を降りて、辺りが暗くなると その光はより強くなる。


恐るおそる、壁に触れてみた

ひんやりしている、だが発光する時はほんのり温かく感じた。


広い場所に出た

中央には、何だろう?

台座のような、天井から伸びた柱状のモノとの間に、黒い光が見える


黒い光…おかしな表現だ

だが、それは明らかに黒い球体で 光を放っていた

その球体は、微かに揺らめくように動いている…


まるで生きてるようだ…


そういえば、この遺跡はまるで生きているように感じる…

鼓動のようなものを感じるのだ


『~~~~~……~~~~…』


「え?」


何か、聴こえた

耳に?いや、頭に響いたような感じだった


人の会話する声のような? それにしては、おかしなモヤがかった声


語りかけている、何かが


そちらの方へ行ってみる。


「なんだ…、こいつらは??」


虫? それとも妖精の類なんだろうか

何か、黒い眼玉のような者たちが蠢ていた。


コショコショ…


何か話している? 目玉はこちらに気付いている。


『ニヒ…ニヒ…』


何か聞き取れそうな感じだ、耳をそばだてる


『…ニニ…ヤミ…ヤイヤイ…』


『ヤミ…カミ…ニヒ…ニヒ…』



闇?神?


そう聞き取れなくもない事を言っている、そう思った その時だった


部屋の中央にあった黒い光が一瞬、激しく閃光した


次の瞬間


赤い血が飛び散った。



僕の体は、明らかに引き裂け その場に倒れた。



● ニエナレポート


遺跡の奥で

黒い謎の発光体? 魔法の動力源のようなモノを確認。

さらに、その傍で 黒く蠢く目玉を持った生物?を発見

妖精、あるいわ魔物の一種なのか?に遭遇。



ここで記述者は、禁忌の書にも書かれている

”闇の誓約者”に邂逅したと思われる。


しかし、闇の誓約者について

どのような誓約、効果、変容がもたらされるのか全くわかっていない


警戒及び、監視が必要である。

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