4.

突然の問い合わせにも気さくに応じてくれた編集者の方には感謝しかない。

結論としては、マンガのタイトルについてはわからないということであった。



しかしマサユキは重要なヒントをゲットしていた。

実はマサユキが読んでいたマンガは当時実施されたマンガコンクールの応募作品を集めたものだったのだ。

編集者の記憶によると、努力賞か何か、ようするに下の方のランクにマサユキが探している内容にぴったりのものがあったらしい。

そのコミックスはコンクールで賞をもらった人だけに景品として特別に配られたものだったため ネットを探しても手がかりは得られるハズがなかったのだ。




電話を切った後マサユキはいてもたってもいられず、スマホで新幹線の予約ページを開いていた。


近所に住んでいたおじさんはマンガ家を目指していたのだろう。コンクールで努力賞をもらい、それを最後にマンガ家への道をあきらめた。だからいろんなマンガをマサユキにくれたのだ。

半分以上 想像でおぎなってはいるが、そんなストーリーが頭の中をかけめぐってしまっている状態で仕事なんか手につくワケがない。

明日は有給取って実家の大捜索だ。

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