5.

「あった・・・・これだ。

 ハ、、、、ハーーークション!!!」

おしいれの一番奥から、小学1年生の教科書となぜか真っ二つになった「まことちゃん」のコミックスといっしょにボロボロの宝が発掘された。

捨てずに取っておいてくれた母ちゃん、グッジョブ!!


涙とホコリアレルギーで崩壊した顔面をぬぐいながら、マサユキは愛おしそうにコミックスの状態を確認した。

当然のようにカバーは失われており、裏表紙も半分ちぎれて欠けていた。

何を食べながら読んでいたのかわからないが表紙もまだらに汚れていて「~作品集」くらいしか読み取ることができない状態だ。


「どんだけ読んだんだよ・・・」

破損具合は「まことちゃん」の比ではなかった。もちろん教科書の方はまだ使えるくらいピカピカだ。


パラパラとページをめくり、もやもやの奥にいる旧友たちを探す。

大賞に選ばれたマンガもたしかに当時読みまくった記憶がよみがえってくる。だが、真の目的地はまだ先だ。おそらくコミックスの最後の方であろう。


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