藤原埼玉のアリスインワンダーランド
「クレープ美味しいね」
神ひなさんと一緒にクレープを食べている。夢みたいだ。
「狐さん、ひなたんを返して!!」
少し離れた所から叫び声がした。そこにいたのは少し弱そうに見える女性、藤原埼玉(敬称略)であった。
「何を言っているのかわからない。神ひなさんと僕は公式ですが」
「本当に変わってしまったのね、狐さん」
「変わった?これが正常な世界線だよ」
藤原埼玉の顔に影がさす。一拍置いて顔を上げた。
「なら力付くで思い出させてあげるわ。狐さんは、本当は美少女だって事を!!」
「例え藤原埼玉(敬称略)でも狐さんは渡さない」
「ひなたんは黙って!」
「
藤原埼玉が叫ぶと目の前に全体的に丸っこい白い毛を纏った動物が出現した。
「ゴテエェェ〜」
なにこれ、ちょっとかわいい。
「狐さん油断するな。上だッッ!!」
神ひなさんの警告に従い上を見ると、マチェットを突き刺そうと落下してくる人間がいた。僕は慌てて交わす。
「狐さんに最強の戦士ヨルムンガンドを倒せるかしら」
藤原埼玉の傍らに立つ空から現れた戦士ヨルムンガンドはマチェットをこちらに向けながら睨んでくる。長い髪を紐で縛ったポニーテールの美少年の剣士の殺気に足がすくむ。しかしここで引いたら、神ひなさんと結ばれたこの世界線は終わってしまう。
「
僕は異能を使った。
初手は軽く斬り殺された。
次は返す刀で斬られて死んだ。
その次はマチェットを腹に刺されて息絶えた。
今度は引いた所で首を飛ばされた。
…………………………………………………
都度百通りは試したが結果は変わらず。藤原埼玉に異能を使われた時点で積んでいたのか。これ以上過去を改変すると世界線が変わってしまう。
「狐さん、俺もいるのを忘れるな!!!」
神ひなさんが叫ぶ。僕は再度ヨルムンガンドに挑んでいった。
マチェットが振り下ろされる。飽きるほど見た光景。
「消え失せろ!タイムスリッパーー!!!」
目の前のヨルムンガンドは何処かの時間へと消え失せた。
後に残されたのは無力なゴテェと藤原のみ。僕達は難なく倒して先へと進んだ。
(予想よりだいぶ修正の力が強いな)
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