最悪な日

「頭が痛い...」

呟きながら頭を抱えて僕は起きた。

夜遅くまで、春川さんと一緒に冷蔵庫の中のお酒全部無くなるまで飲んだのだった...めっちゃ頭が痛い、二日酔いだなこれは。

そういえば今日は休みだったか。

今日はゆっくりと二日酔いを治そうか。

そう思いながら立ち上がると、白米と味噌汁の匂いが辺り香らせていた。

相変わらず早いなっと思いながら台所の方に向かった。台所の方に向かうとそこにはエプロン姿の春川さんがいた。

「おはよう春川さん」

「おはようございます天川さん。昨日お酒沢山飲んだので二日酔いのお薬を机の上に置いときました。朝食前に飲んでてくださいね」

「ありがとう春川さん。春川さんは大丈夫なの?」

「はい大丈夫です」

「春川さん意外と豪酒なんだね」

「そうですか?」

春川さんはきょとんとした表情をした。

「そうだよ。麒麟とストロング両方とも5本飲んで、日本酒を水割り無しで飲むとか豪酒過ぎるよ」

「えへへ、褒めて下さりありがとうございます」

「いや、褒めてないからね」

春川さんと少し話して机に置いてある二日酔止めの薬とコップに注がれた水が置いてあり、それを飲んだ。

「天川さん朝食出来ましたよ」

「分かったありがとう」

春川さんはお盆に2人分の白米と味噌汁と鮭の塩焼きを机に置いた。

僕と春川さんは合唱をして、朝食を頂いた。


「そういえば天川さん、今日は何をするのですか?」

「そうだな、今日は予定ないからビデオ屋で借りたビデオを見ようと思う。春川さんは今日は何するの?」

「私ですか?私は今日も仕事があるのでそれらをやります。帰りに買い物をします」

「そうなのか分かった。気をつけて行ってきてね。洗濯物や掃除はやっとくよ」

僕がそう言うと春川さんは笑みを浮かべた。

「ありがとうございます天川さん」

そうして僕は朝食を済ませて、春川さんは仕事場に向かった。

前々から思ったんだけど、殺し屋を一緒に住む社会人ってドラマみたいな展開だな。

そう思いながら僕は食器を洗った。


春川静海視点

「おはようございます、春川さん」

「おはよう村霧。もう行くの?」

「はい、そうです」

「そうなんだ、無事に気をつけてね。ご武運を」

「ありがとうございます」

村霧はそう言い玄関に向かっていった。私は仕事部屋に向かいドアを開き、パソコンを開いた。パソコンの画面には組織からの依頼書が送られていた。今日も多いな。

これを見ていると、人を恨んでる人なんてごまんといるんだなっとそう思っているといきなりドアが開いた。

「たっだいま!チャン静!美空ちゃんが帰ってきたよ!」

私はため息をついて、谷間さんの方を見た。

「谷間さんいつも言ってるけど、ノックをしてからドアを開けてよね。いつもいきなりドアを開いて驚くのだから」

「そんなこと言ったって、チャン静全然驚いてないじゃん」

谷間さんは頬を膨らませて、腕を組んだ。

彼女の名前は谷間美空。私より6つ年下の18歳でめっちゃくちゃのギャルで皆とは仲がいいのだが常識が欠けていて、ガチ百合。

そして小傘さんをM質にさせた張本人。

この前小傘さんを何故あんな質にしたのか聞いたら、小動物みたいで可愛くて襲ったっだそうだ。

それで罰として半年減給するようにした。

正直他の暗殺部隊に飛ばしたいのだが、見た目や性格の割にとてつもなく強くて他に渡すのが惜しいので飛ばすことはしなかった。

本当にどしたらいいのかと思い思わずため息をついた。

「何ため息をついてるのチャン静?ため息をつくと私みたいにGのお胸がつけないよ。でもチャン静は今のDのお胸が丁度触り心地くて今のままがいいな」

谷間さんの声が私の背後から聞こえてきて、振り向こうとした時、胸を掴んできた。

「キャッ!」

「おや?見た目に反して可愛らしい鳴き声するじゃないかチャン静。というかなんで金髪なのにお胸は小さいの?」

「何金髪は巨乳が当たり前って感じみたいに言ってんのよ!それよりも誰かに見られたりしたら!」

「いーのいーの。見られたのなら見せつければいいだけのことよ。所でチャン静今からどう?1回ヤる?」

谷間さんは私の耳元に舌なめずりをしながら胸も揉んできて思わず声がでそうになり、口元を抑えた。

この人、めっちゃくちゃ上手い。変な声でちゃう前に...早く...止めないと...。

そう思い私は谷間さんの腕を掴んで床に押し倒した。

「はぁはぁ、そろそろ怒るよ、谷間さん」

私が谷間さんを見つめると、いきなりドアからノック音が聞こえた。待ったと言おうとしたがドアが開く方が早かった。

「失礼します。春川さん昨日の任務の報告書ができま...」

岩山は報告書を持ちながら、私達の方を唖然としながら見ていた。

「2人共そういうのは朝じゃなく夜にやってください。1時間後また来ますので、それではごゆっくりとお楽しみにしてください。失礼しました」

岩山はお辞儀をして、ドアを閉めた。

「い、いや違うんだ岩山!谷間さんが無理やりしてきたんだ!私は何もやっていないんだ!信じて!」


あれから岩山とは話して誤解が解けた。

谷間さんには罰として休み無しの3日連続で任務に行かせた。3日とかどうかしてるって言ってたけど彼女、随分前に休み無しの1週間連続で任務に行っていたことがあるから何を今更っと思い任務に向かわせた。

「はぁ、朝から疲れた...」

「お疲れ様です。珈琲をどうぞ」

「ありがとう岩山。本当に谷間さんには困ったもんだよ」

「ですね、なるべく控えて欲しいですよ」

「本当にそうだよ」

私はため息をつき、珈琲を1口飲んだ。

「本当にどうすればいいのやら...まぁいい、それよりも岩山、何か渡すものはなかったのか?」

そう言うと岩山は客用の椅子の上にある報告書を持ってきて私に出した。

「これは確か、組織と反する人達が麻薬を売っていた奴らの暗殺のか」

「はいそうです。その報告を持ってきました。それでは私はこれで、失礼します」

岩山はそう言い仕事部屋から出た。

さて、私も自分の仕事をやって行こうか。

それから私は任務に向かい、今日の任務を終わらせて帰宅をした。

今日の夕飯何にしようかな?っとそう思いながら私はスーパーに向かった。


天川春水視点

「ふぅ、面白かった」

僕はディスクからCDを取り出した。

久々に13日の金曜日見たけどやっぱり面白いな。特にパート6は最高だ。だけどトミー許すマジだ。

僕がそう思って、時計を見ると夕方の5時すぎになっていた。

そろそろ洗濯物出そうと思った時、インターホンが鳴った。

「はーい」

僕は玄関のドアを開くとそこには、黒ずくめの男が3人いた。

「えっと...どちら様ですか?」

僕が訪ねると、サングラスをした男性が口を開けた。

「天川春水さんですか?」

いきなり僕の名前が出てきて少し驚き、頷いた。

僕の名前を聞いた途端、黒ずくめの男達は笑みを浮かべてサングラスの男が懐からスプレーを取り出し、僕の顔にかけた。

「なぁ!」

僕は男達に距離を取ろうとしたが、意識が急に遠のいていった。


春川静海視点

「ふんふんふん」

目的の肉と野菜が半額になっていて嬉しくて思わず鼻歌を歌った。

早く天川さんに食べさせてあげたいなっと思いながらマンションに向かった。

信号を待っていると、凄いスピードを出したワゴン車がマンションの反対方向に向かっていった。

「危ない運転だな」

独り言を言い横断歩道を渡り、マンションにつきエレベーターに乗った。

そして天川さんと私の部屋につき、ドアを開いた。

「ただいま、天川さん」

返事は帰ってこなかった。

おかしいな、出掛けてるのなら鍵かけてるはずなのに...。そう思ってると机の上に1枚の紙が書かれていて私はそれを読んだ。


お前の恋人は我らが預かった

返して欲しければ地図の所に来い


っと書いており思わず私は舌打ちをした。

「今日は最悪な日だね...」

私は荷物を置き、地図の場所に向かった。

必ず助けますよ天川さん。

この身が無くなろうとも。

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