殺し屋の平日

「やっっっと報告書書き終えた」

私は背を伸ばして背中の疲れをほぐした。

報告書を本部のパソコンに送り終えた私は、机に置いていたクッキーを1つ食べてコーヒーを飲んだ。

私が安堵していると仕事部屋のドアからノック音が聞こえた。

「どうぞ、はいっていいよ」

私がそう言うとドアが開いた。

「失礼します」

ドアの前に部下の村霧が何かの紙を持ちながらこちらに向かってきた。

「春川さん、昨日の任務の報告書できました」

村霧は報告書を私に出した。

「ありがとう村霧。いつも仕事早くて助かるよ。そういえば小傘さんの仕事ぶりどうだった?」

「初めは指示待ちでしたが、それからは自分から積極的に動いて、早く終わりました」

「そうなのか、それは良かった」

「はい、岩山の指導がうまかったのだと思いますよ」

「そうだな、分かったありがとう」

「はい、それでは失礼しました」

村霧はドアを閉めてこの場を去っていった。

「後で小傘さんを褒めて、岩山にお礼言わないとね」

そう呟きながら、村霧から貰った報告書を本部のFAXに出した。

「さて、今日の仕事は終わったし帰ろうか」

私はパソコンを切り、荷物の整理をして仕事部屋から出た。

帰ったら夕飯作らなくちゃ。

天川さんの私の料理を美味しく食べてくれるから、作りがいがあってとっても嬉しい。

襲っちゃってもいいかな?っといかんいかん、それよりも今日の夕飯のこと考えなくては、何にしようかな?

「春姉さんお疲れ様です」

私が今日の夕飯の事を考えていると、後ろから声が聞こえて、振り替えた。

そこには小柄で私と同じ女性の新人殺し屋の小傘さんがいた。

「お疲れ様小傘さん、村霧から聞いたよ。昨日の任務頑張ったらしいじゃないか」

「い、いえ、私は村霧さんの指示を聞いて動いただけですよ」

「それでもちゃんと指示を聞いてちゃんと動くなんて凄いことだよ。私の新人の頃は自分勝手で動いて良く師匠に叱られたんだよね。だから小傘さん本当に凄いよ」

私は小傘さんを褒めてつい、頭を撫でてしまった。

「おっとごめんね小傘さん、つい手が出てしまったよ」

「いえ、大丈夫です...」

小傘さんの声が少し恥じらい声を混ざりながら、小傘さんが私の右手を引っ張って彼女の頭に置かれた。

「春姉さん、もっと撫でてください!褒め言葉いえ、言葉責めを!罵りながら頭を撫でてください!」

私はその言葉を聞いて驚いて、反射的に手を引いた。

私は小傘さんの顔を見ると、目が今までに見たことない程目を輝かせながら満面の笑みを浮かばせていた。

小傘さんにこんな一面があるなんて想像もしてなく、少し怯えてしまった。

私は周りに誰かいないか見渡した時、小傘さんはいつの間にか抱きついてきた。

「えへへ、春姉さん撫でて罵ってください」

小傘さんはウキウキと目を輝かせながらそう言ってきた。

「罵りはしないけど、頭は撫でてあげるから離してくれないか?」

「分かりました!」

小傘さんの顔は空中にワクワクと似合うほどの

小傘さんの頭に手を置いて、約束通り頭を撫でてあげた。

頭を撫でると小傘さんはとろけるような笑顔をしていてとても幸せそうだ。

「春姉さんありがとうございます」

「喜んで貰えてよかったよ」

私は小傘さんの頭から手を引くと、小傘さんはうずうずとしながら顔を赤らめた。

「それじゃあ小傘さんまた明日も頑張ってね。お疲れ様」

「あ、はいお疲れ様です」

また変なお願いをされる前にこの場を立ち去った。

小傘さんの話していて少し遅くなっちゃうな。明日お休みだから久々に天川さんと一緒お酒でも飲もうか。

良し、それならお酒に合う料理を作ろう。

私はそう思いながらスーパーに行き、足りない材料を買いに行った。

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