出会いまで後数時間 春川静海編

「ま、待ってくれ頼む!命だけは!命だk」

私は男が最後まで言うのを待たず、その首をナイフで掻っ切った。

「ふぅ、やっと終わった」

私はスーツの裏側からスマホを取り出し、車と掃除屋を連れてくるように電話した。

ターゲットの男の顔を撮り、ナイフの手入れをしていると、車と掃除屋が現場につき、4人の掃除屋は車から降り、私にお辞儀をした。

『春川さんお疲れ様です!』

4人全員が一斉に言い、私は面倒臭く右手を振った。

「ええ、お疲れ様。それじゃあいつも通り御掃除お願いね」

掃除屋達はすぐにあと片付けをし始めた。

私は車の助手席に座った。

「春川さんお疲れ様です。今日はいつもより少し遅かったですね」

運転席に座ってる岩山が微笑みながら話しかけてきた。私は胸ポケットから愛用の電子タバコを取り出して一吸いし、岩山の質問に答えた。

「仕方がないでしょ。ターゲットがこの倉庫のまで逃げてしまったのだから」

私はもう一度電子タバコを吸った。

「けどまぁ、ターゲットの頭が弱くて、私達以外誰一人も会わなくて良かったよ」

安堵感に浸っていると、運転席からフロントガラスを叩く音が聞こえた。運転席の方を見ると掃除屋の一人がこくりと頷いた。

「どうやら終わったようですね」

「そのようね、それじゃあ戻るよ」

私がそう言うと掃除屋達は道具と死体を車に乗せ、全員車に乗り出発した。


現時刻深夜の2時30分。私達はアジトに戻った。死体の処理は警察の目がつかないようにする為、濃度の高い酸の入ったドラム缶に死体を入れた。

報告をする為に私は私室に戻り、組織のボスの秘書の赤田さんに依頼終了のメールとターゲットの写真を送り報告した。

これで今回の依頼は終わり。

「やっと終わった。お酒でも飲んで寝ようかな」

私は棚から適当なお酒を取ろうとした時、仕事用のパソコンから着信音が鳴った。

赤田さんもうメール読んだのか、さすが秘書って言ったところかっと、私が呑気な事を思いながらメールを読んでみると、次の依頼のメールが来ていた。

軽く舌打ちをして依頼内容を読んだ。

いつも通り長い内容で簡潔にまとめると、ある一人の男性一般会社員の暗殺する事。死体の処理は私達に任せる事。この人が何をしたのかは不明。

ターゲットがした事は不明なのに達成額が今までにない程の大金がだされている。

見間違いかと思い一度見直したが、見間違いでは無かった。

「ボスがこんなに大金だすということは手練なのか?」

なんでこんなに大金をだされるのか考察したが辞めた。考察した所で時間の無駄と思った私は、棚からお酒を取りコップに注いで一杯だけ飲み、ベッドに潜った。


今日の朝7時に知り合いの情報屋にターゲットの情報を依頼したら、12時に情報を貰えた。

凄く優秀な情報屋だけど、今回はいつも以上に早く情報をくれた。一般会社員だから情報が集めやすいのかなっとそう思いながら情報の資料を読んだ。

ほとんど一般会社員と変わらない生活をしている。

私は赤田さんから貰った依頼のメールからターゲットの住処をスマホで検索して、ターゲットの住処に向かった。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る