日山光輝の謎の鳥
俺は、特に目が良いらしい。霊能者もいろんなタイプがいて、目ではあまり見えない代わりに気配に敏感な人も多いという。神山のお母さんはそのタイプで、俺は見えるタイプだと教えてもらった。しかも、自分に近しい人ほど良く見えるようで、あっくんの件も、普通なら気付かない程度のモノを見てしまったんだろうと言われた。確かに、誰かの体にシミやモヤが憑いているのなんて、今まで見たことはなかった。幼なじみのあっくんだから見えてしまって大騒ぎしてしまったと分かって、ちょっと恥ずかしくなった。
「あんまり見えるモノに惑わされないように、気を付けてね」
神山のお母さんに、やんわりと注意された。
もしまた、誰かに変なモノが憑いてても、過剰に反応しないように気を付けようと思っていた頃、それが見えた。
「おーはーよー!」
「おはよ……ぷふっ!」
「なんだ山口! なんで僕の顔を見て笑うんだ!?」
「ごめんごめん……ちょっと、思い出し笑い……」
「本当か?」
日山が疑いの眼差しで俺を見る。
「本当本当。それで、何かよう?」
「おう、そうだ! 今日の活動だがな……」
日山の話を聞きながら、どうしても視線は頭に行ってしまう。日山の頭にちょこんと乗った、小さなヒナ鳥を。
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