火曜日は、科学部の活動日。

 授業が終わると、日山が神山を連れて4組に迎えに来た。また少し寒気がしたけど、昨日よりはマシだった。

 少し不安に思いながら、日山と部活に向かう。部活が終わったら、図書室で合流することに決まった。

 部活終了後、図書室の入り口から2人の様子を見ると、拍子抜けするほど穏やかな空気が流れていた。あっくんがいつもの明るい笑顔で神山に話しかけると、神山も少し口の端を持ち上げ答えている。

 あっくんに何も無さそうなことに安心すると同時に、神山から感じる寒気の正体と理由が気になった。

 そんな俺の戸惑いや疑問に全く気付かない日山は、ズカズカと歩きながら「部活終わったぞー!」と、大きく声をかけながら手を振って行く。司書さんの氷のような視線を背中に感じながら、俺も日山の後に続いた。

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