パーティから追放された雑用係はスライム無限増殖スキルに目覚めた! レベルアップして見返すために永遠にスライムを作って倒してを繰り返したら、世界がスライムだらけに! だから、責任取って全て駆除します!
第6話 ランクE マウ洞窟に巣食うウオータースライム討伐
第6話 ランクE マウ洞窟に巣食うウオータースライム討伐
『ランクE マウ洞窟に巣食うウオータースライム討伐』
このクエストを『戦闘共同体』に依頼したのは、マウ洞窟の近くに住むドワーフらしい。
らしいというのは、このクエストを受けた私とタイガは実際に出会ったことが無いからだ。
ギルドに案件の依頼をする依頼主と、クエストの打ち合わせをすることもあればしないこともある。
今回は依頼主のドワーフが忙しいということで、打ち合わせは省略された。
「ところどころ光ってますね」
私はタイガから離れない様にピッタリと後をつけながら、周囲を見渡した。
この洞窟は武器の素材となる鉱物が取れるって聞いたことがある。
この世界の亜人間であるドワーフは、武器を作る能力を持つ。
つまり鍛冶屋だ。
彼らにとってこの洞窟がスライムに支配されたということは、武器が作れないということだ。
ピチャ……ピチャ……
粘着性のある嫌な音が耳朶を打つ。
「いました」
タイガの視線の先には、うじゃうじゃと沢山のスライムがいた。
形はスタンダードな楕円形で、体内の臓器が透けて見える。
スライムの身体は洞窟の湿気と相まって、ぬるぬるした身体を光らせている。
「照らしといてくれ」
タイガは私にタイマツを手渡した。
「はっ……はい!」
私は頷いた。
「行ってくる!」
タイガは地を蹴って走り出した。
恐れることなくスライムに突進する。
「ギー!」
一番先頭にいたスライムは断末魔を上げ、彼の一撃で粉々になった。
逃げ惑うスライムを棘が沢山ついた棍棒で叩きのめす。
私は憎きスライムが蹂躙されるのを見て、胸のすく思いだった。
「ひっ……」
だけど、生き物が生き物を殺す場面はやはり怖いものがある。
私がじっと見ている間、タイガは全てのスライムを粉々にした。
小さな欠片になったスライム達は、しばらくじっとしたままだった。
だけど、時間が経つにつれ、いくつかの欠片はうねうねと動き出した。
「あ、なにを……」
タイガはスライムの欠片に油を掛け始めた。
「よし、たいまつを!」
驚く私にタイガは指示する。
私は思いっきり振りかぶって、スライム死ねとばかりにタイマツを投げた。
洞窟が一気に明るくなる。
タイマツの炎が油に引火し、スライムが黒い炭になっていく。
やがて、消滅した。
「す、すごい……」
タイガは鮮やかな手際でスライムを倒した。
その作業に私はちょっとだけ協力出来て嬉しかった。
つづく
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